メディア倫理
担当者田所 承己教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [社会学科]
科目ナンバリングSOC-317

授業の概要(ねらい)

 この授業は「メディアの社会学」応用編です。メディアをめぐるさまざまな現象や問題を社会学的に理解する力を高めるため、音楽、ストリートファッション、マンガ、心霊写真、海外旅行、ニュースキャスター、ソーシャルメディア、モバイルメディアなどを素材に、多様な社会学的分析の手法を学びます。最終的に、自分なりの「問い」と「仮説」を立て、オリジナルな手法を用いてメディア分析を行うことができる力の習得を目指します。
 そのために、講義スケジュールは大きく2つのパートから構成されます。(1)音楽、ファッション、マンガ、写真などメディア文化に関する個別の事例分析を通して、分析方法を学びます。(2)ネット社会に関する諸問題をいかに理解するか、その理論的解釈方法を学びます。
 この授業では、受講生の主体的思考を促すため、授業中にリアクションペーパーを記入してもらい、それを授業内で発表してもらったり、それを引き受けて即席のディスカッションを行うことがあります。

授業の到達目標

 (1) 任意のメディア事象に関して、自分なりの「問い」と「仮説」を立てることができる。
 (2) 任意のメディア事象に関して、自分なりのオリジナルな手法を用いて分析することができる。

成績評価の方法および基準

 ・リアクションペーパー:20%
 ・レポート(教場):40%
 ・試験:40%

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書
参考文献『映像文化の社会学』(2016年)長谷正人編有斐閣
参考文献『コスプレする社会』(2009年)成実弘至編せりか書房
参考文献『マンガの社会学』(2001年)宮原浩二郎・荻野昌弘編世界思想社
参考文献『ニッポンの海外旅行─若者と観光メディアの50年史』(2010年)山口誠筑摩書房
参考文献『フィルターバブル──インターネットが隠していること』(2016年)イーライ・パリサー早川書房

準備学修の内容

 ・あるメディア事象を取り上げて、自分なりの「問い」を立てて、その問いを立てた理由をまとめること。
 ・あるメディア事象に関する疑問に対して、自分なりの「仮説」をまとめること。

その他履修上の注意事項

 ・授業中に適宜、リアクションペーパーに記入してもらい、受講生の意見や考えを聞くことがあるので、積極的に発言するようにしてください。
 ・授業計画は、受講生の関心や社会情勢によって適宜変更します。

授業内容

授業内容
第1回 オリエンテーション
第2回 音楽とライブ感
第3回 身体メディアとストリートファッション
第4回 マンガの社会学
第5回 音楽環境の変容
第6回 写真と心霊現象
第7回 若者の海外旅行とメディア
第8回 中間まとめ
第9回 テレビニュースと感情共同体
第10回 映像と社会の関係
第11回 ソーシャルメディア依存と近代的自己
第12回 モバイルメディアと儀礼的無関心
第13回 ネット社会とエコーチェンバー
第14回 サイバーカスケードと集団分極化
第15回 まとめ