図書館制度・経営論
担当者中嶋  康
単位・開講先選択  2単位 [資格科目]
科目ナンバリングLIH-205

授業の概要(ねらい)

 図書館に関する法律,関連する領域の法律,図書館政策について解説するとともに,図書館経営の考え方,職員や施設等の経営資源,サービス計画,予算の確保,調査と評価,管理形態等について解説する。

授業の到達目標

 1)図書館設置の基盤となる日本国憲法はじめ図書館法,その他各種の法規の意義と内容を理解する。
 2)図書館の組織と職員の使命を理解する。
 3)図書館を運営する財政と予算編成,マーケティングの実際を修得する。
 4)図書館の経営評価について理解する。
 5)過疎指定地域にある図書館のサービス計画立案を通し、図書館員に必要な経営的視点と計画立案のためのノウハウを学ぶ。

成績評価の方法および基準

 出席態度と授業内の積極的発言(30%),小レポートまたは課題(30%),最終レポート(40%)により総合的に評価する。
 いかなる理由でも授業回数(15回)のうち5回以上の欠席,および,指定期日までにレポートの未提出者は最終評価の対象から除外する。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書特に指定しない。必読の参考文献,URLはその都度指示する。
参考文献『図書館制度・経営論』2013(現代図書館情報学シリーズ 2)糸賀雅児,薬袋秀樹編樹村房

準備学修の内容

 毎週授業の事前準備または復習のための課題を出すので,計画的に取り組み,期限を守り提出すること。「図書館雑誌」,「大学図書館研究」,新聞,Googleニュース等で,図書館の動向を常にチェックしておくこと。

その他履修上の注意事項

 1)第1回目の授業,イントロダクションは,授業の進め方,成績評価方法などについて説明するので必ず出席すること
 2)指定する文献やウェブサイトは授業前に必ず読むこと
 3)この科目への履修登録は,インターネットの活用ができること,WORDで文書作成ができること,PCメールでファイルを添付して送信することができること,を最低条件とする。
 4)適宜グループディスカッションを行うので積極的に参加すること。

授業内容

授業内容
第1回 イントロダクション-図書館における制度と経営
 授業の目的,進め方,評価法など
第2回 図書館政策の基礎となる法制度の仕組み
 法制度の全体像,図書館法と前提となる法規-日本国憲法,教育基本法,社会教育法 等
第3回 図書館経営のための関連法規と館種別法規
 地方自治法,活字文化振興等関連法規,著作権法等,学校図書館法,国立国会図書館法 等
第4回 国と地方の図書館政策
 国の図書館政策の決定プロセス,審議会と答申,地方公共団体の計画と予算 等
第5回 地方自治体の図書館政策決定と経営
 公共図書館政策の決定プロセス,公共図書館の経営計画 等
第6回 図書館サービス計画(1)図書館サービスの使命と目標①
 経営計画画と図書館サービス計画,図書館サービスの使命と目標,ステークホルダーの明確化 等
 図書館サービス計画書の作成(1)計画書の構成,図書館の理念
第7回 図書館サービス計画(2)図書館サービスの使命と目標②
 予算と予算管理,図書館職員の配置と専門性,施設・設備の運用 等
 図書館サービス計画書の作成(2)図書館の現状と環境の把握①
第8回 図書館の経営計画(3)経営形態の多様化と図書館サービスの変化
 業務委託,指定管理者制度,PFI 等
 図書館サービス計画書の作成(3)図書館の現状と環境の把握②
第9回 図書館の経営計画(4)マーケティングとサービス計画
 社会状況の変化に対応したサービス計画の立案
 図書館サービス計画書の作成(4)目標の設定
第10回 図書館の経営計画(5)ヒト・モノ・カネの計画
 マーケティング戦略の策定と新事業計画
 図書館サービス計画書の作成(5)実行
第11回 図書館の経営計画(6)マーケティングとブランド戦略
 ブランディングとイメージ統合
 図書館サービス計画書の作成(6)広報計画の位置づけ
第12回 図書館の経営計画(7)ブランド戦略と広報計画
 経営評価の方法,経営評価とサービス評価
図書館サービス計画書の作成(7)経営評価とPDCAサイクル
第13回 図書館の経営計画(8)
 図書館サービス計画書の作成(8)ラフの完成
第14回 図書館の経営計画(9)評価と経営計画への反映
 図書館サービス計画書の作成(9)最終チェックとリハーサル
第15回 まとめ これからの図書館制度と経営形態