心理学特殊実験演習Ⅰ
担当者高梨 利恵子教員紹介
単位・開講先必修  0単位 [心理学科 2017年度以前]
科目ナンバリングSEM-301

授業の概要(ねらい)

 本演習では実証に基づく科学的な心理療法として注目されている認知行動療法の理論に基づいて、心の健康に関連するさまざまな要因について、またはそれらを改善あるいは増進する介入について実験や調査を立案して研究することをめざす。扱うテーマは日常の様々なストレス反応や、不安、落ち込み、満足感、やる気といった身近な感情状態を中心とする。
 本演習では春期にこの領域の研究に必要な基本的な文献を講読し、ディスカッションを行う中で、実際に取り組むテーマを絞り込む。そして自分の関心に近いテーマの先行研究を参考にして、計画の立案までを行い、秋期にデータの収集及び分析、報告を行う。

授業の到達目標

 心の健康に関するテーマに対し、先行研究を吟味し、研究計画を立案し、収集したデータを適した方法を選択して分析し、考察し、報告するという一連の手続きを実践を通して理解する。

成績評価の方法および基準

 レポート:40%
 自らの関心と先行研究を踏まえたテーマの選定、研究方法、結果の分析方法、考察の適切性、妥当性などを評価する。
 平常点評価:60%
 自分、および他の履修者の研究への積極的な参加、貢献(文献の読み込み、アイディアの提供、準備、研究実践の統率、協力など)を評価する。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書アナログ研究の方法杉浦義典新曜社
参考文献認知臨床心理学入門W.ドライデン/R.レントール東京大学出版会

準備学修の内容

 授業時間は、主に文献研究、研究の進捗状況、研究成果に関する発表とディスカッションに当てられるため、発表準備、研究実施、データ分析などの作業は、授業時間外に、自主的に行うことが求められる。

その他履修上の注意事項

 発表準備、研究実施、データ分析などの作業は、個人、あるいはグループごとに授業時間外の時間を作り行う必要がある。
 実験協力者あるいは調査協力者をつのる際には、倫理的問題や社会的責任を忘れてはいけない。

授業内容

授業内容
第1回以下はあくまでも予定であり、登録学生の人数や理解度、各研究の進捗状況により授業開始後変更もある。

ガイダンス 本演習の目的と方法について
第2回健常者を対象とした臨床心理学研究の方法について(1)
アナログ研究とは何か
第3回健常者を対象とした臨床心理学研究の方法について(2)
健常群と臨床群の連続性について
第4回「個人差を用いた異常心理学研究」について発表・ディスカッション(1)
第5回「個人差を用いた異常心理学研究」について発表・ディスカッション(2)
第6回「実験を用いた異常心理学研究」について発表・ディスカッション(1)
第7回「実験を用いた異常心理学研究」について発表・ディスカッション(2)
第8回「個人差を用いた介入研究」について発表、ディスカッション
第9回「実験を用いた介入研究」について発表・ディスカッション
第10回テーマの選択:中間報告とディスカッション1
第11回テーマの選択:中間報告とディスカッション2
第12回各自のテーマに関連した基礎的文献の講読と発表・ディスカッション1
第13回各自のテーマに関連した基礎的文献の講読と発表・ディスカッション2
第14回各自のテーマに関連した基礎的文献の講読と発表・ディスカッション3
第15回春期まとめ、夏季休暇中、後期の研究計画の確認