演習Ⅰ
担当者中西 俊裕教員紹介
単位・開講先必修  2単位 [経済学科]
科目ナンバリングSEM-301

授業の概要(ねらい)

 世界経済は国際政治の動向に大きく影響を受ける時代に入っています。当ゼミでは地域、国ごとに見て経済が国際的な政治、軍事を踏まえた地政学的観点からどんな影響を受けているかを考えます。また日本経済が国際的な変化からうける影響についても考え、発表や討論を通じて意見表明のしかたを身につけます。

授業の到達目標

 国際経済と日本とのかかわりについて、多面的に理解する能力を培います。通商、金融、資源などの問題で対立の解消やプロジェクト実施をめぐり、各国政府間の交渉や意思表明がどう進められるのか、同盟関係や政治的な連携の変化がどう進むのか、それらが経済に与える影響は何かについて理解を深め、発表を通じ根本の部分をわかりやすく他者に説明できるようになることを目標とする。

成績評価の方法および基準

 中間レポート20%、期末試験30%、授業の発表50%

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書適宜、授業で関連テーマに関する文献のプリントを配布します。
教科書
参考文献経済がわかる論点50 2020みずほ総合研究所東洋経済新報社
参考文献対立の世紀ーグローバリズムの破綻イアン・ブレマー日本経済新聞出版社
参考文献地殻変動する国際エネルギー資源業界中津孝司創成社
参考文献中東和平 歴史との葛藤中西俊裕日本経済新聞社

準備学修の内容

 前回講義内容を再度チェックすると同時に次回テーマについて参考文献や新聞、インターネットで調べておくこと。調べる関連文献、事項については随時提示します。

その他履修上の注意事項

 単位を取得するには最低限の条件として60%以上出席する必要があります。

授業内容

授業内容
第1回 【イントロダクション】ゼミ生の自己紹介とゼミの基本的な問題意識に関する意見交換。
第2回 【経済と地政学】地政学とは何か、国際経済についての国・地域・分野別の関心について意見の集約(短い発表を含む)、ゼミの進め方に関する話し合い。
第3回 【米国と中国①】中国の経済成長の行方、成長率低下と米中通商問題、両国対立の背景。
第4回 【米国と中国②】歴史的な視点からみた米中関係、対立緩和へ向けた展望と解決策。
第5回 【中国とアジア諸国①】中国と東南アジアの関係、中国企業のASEAN進出戦略。
第6回 【中国とアジア諸国②】中国と南アジア諸国(インド、スリランカなど)、一帯一路と中国経済。
第7回 【中間まとめと質疑、討論】アジア太平洋地域の安定と成長、日本の役割を中心に。
第8回 【中東と米国】サウジアラビアなど中東産油国と米国の経済・防衛を基軸とした関係の推移。
第9回 【中東と日本】日本の資源の中東依存度、中東の産業育成支援・経済援助。
第10回 【欧米とロシア】資源輸出に依存したロシアの経済成長、米国の対ロ経済制裁、独ロの資源プロジェクトなど。
第11回 【日本とロシア】日ロ経済共同事業、北方領土交渉の行方。
第12回 【日本と米中】米中貿易摩擦の日本への影響、かつての日米貿易摩擦との比較。
第13回 【日本と中国・アジア諸国】分業体制の推移、政治関係が経済関係に与える影響。
第14回 【国際政治の変化と経済の行方】米一強時代を経て、米と中ロが再度対立色を強める時代の世界経済とは。
第15回 【まとめと期末試験】通期の発表内容などをベースに論述。