臨床心理査定演習Ⅰ(心理的アセスメントに関する理論と実践)
担当者大塚 秀実教員紹介
単位・開講先必修  2単位 [文学研究科 臨床心理学専攻]
科目ナンバリング

授業の概要(ねらい)

 心理的アセスメントは、心理臨床の根幹を成すものである。心理療法を希望して訪れた対象者に対して、すぐに心理療法を提供することはできない。対象者がどのようなことを求め、どのようなパーソナリティなのか、そして、どのような援助をすればそれが達成できるのか、という見立て(心理的アセスメント)をすることによって、ようやく援助の方針が決まるのである。
 心理的アセスメントは、心理検査のみならず、行動観察や臨床面接、生理的指標など多様な方法で測定される。臨床現場に持ち込まれる問題は、目に見える問題も目に見えない問題もあり、様々な方法を知ることが求められる。
 公認心理師として臨床心理士として、心理的アセスメントの知識・技法を学び、基本的な臨床態度を身につけることを目指す。
 なお、心理臨床センターにおける検査施行にあたっては、この科目の履習が必要となる。

授業の到達目標

 心理的アセスメントの基本となる知識・技法・倫理態度を身につけることを目的とする。

成績評価の方法および基準

授業への積極的姿勢(20%)、課題提出(40%)、試験(40%)
臨床倫理(守秘義務など)を犯した場合には単位取得はない。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書
参考文献アセスメント技術を深めるハンドブック近藤直司(2014)明石書店
参考文献面接技術としての心理アセスメント津川律子(2018)金剛出版
参考文献臨床心理検査バッテリーの実際高橋依子・津川律子(2015)遠見書房
参考文献ジェノグラム:家族のアセスメントと介入モニカ・マクゴールドリック(2018)金剛出版
参考文献心理検査を支援に繋ぐフィードバック―事例でわかる心理検査の伝え方・活かし方[第2集]竹内健児(2016)金剛出版

準備学修の内容

ボランティア学生への検査・結果のフィードバックを実施するため、事前にマニュアルを熟読し、十分に練習しておくこと

その他履修上の注意事項

・実際に心理検査を実施するため、十分に準備をすること
・臨床実践に関する倫理を学び、身につけること

この科目は臨床心理学専攻に特化した科目です。

授業内容

授業内容
第1回ガイダンス:心理アセスメントの必要性について学ぶ
第2回心理的アセスメントの倫理について学ぶ
第3回知能検査(WAIS-Ⅳ)の理論・実施法について学ぶ①
第4回知能検査(WAIS-Ⅳ)の理論・実施法について学ぶ②
第5回知能検査(WAIS-Ⅳ) のロールプレイを実施する
第6回知能検査(WAIS-Ⅳ)の報告書作成・検査のフィードバックについて学ぶ
第7回心理的アセスメント面接をするために必要なことを学ぶ
臨床家としてどのような知識・倫理観・態度が求められるのか?
第8回心理的アセスメントの実際について学ぶ①
モチベーション・認知機能・病態水準・生活様式・対人関係のありかたについて知る
第9回心理的アセスメントの実際について学ぶ②
家族関係のアセスメント:ジェノグラムを使いこなす
第10回心理検査結果・フィードバックについての検討会①
第11回心理検査結果・フィードバックについての検討会②
第12回MMPI(ミネソタ多面人格目録)理論・実施法について学ぶ
第13回内田クレペリン理論・実施法について学ぶ
第14回テストバッテリーの実際について学ぶ
どのように援助に活かすのか
第15回まとめと試験