債権総則Ⅰ
担当者足立 祐一教員紹介
単位・開講先選択必修  2単位 [法律学科 2018年度以降]
科目ナンバリングCIL-201

授業の概要(ねらい)

 民法第3編「債権」の第1章「総則」を対象にします。今回の民法改正の影響が大きい領域の一つでもあります。債権は、「人の人に対する権利」や「ある特定の人が他の特定の人に対して一定の行為を請求できる権利」などと言われますが、本科目では、債権とは何か、契約を結ぶことなどによって発生した債権がどのように実現され、消滅していくのか、について民法の定めている規律について学んでいきます。
 扱う内容は、抽象的なものが多いですが、具体例などを用いて受講者の理解の一助になるよう努めたいと考えます。

授業の到達目標

 ①債権総則の規定の内容や考え方、解釈についての基礎知識を修得すること。
 ②修得した基礎知識を具体的な問題に即して活用できるようにすること。

成績評価の方法および基準

 原則として学期末の試験によって成績を評価します(100%)。状況に応じて、レポート、小テストを実施する場合があります(15%相当までを加点)。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書小型の六法を必ず授業時に持参すること。
教科書『民法Ⅲ 債権総論〔第4版〕』野村豊弘・栗田哲男・池田真朗・永田眞三郎(有斐閣、2018年)
教科書※すでに他に利用している教科書があればそちらでも可
教科書なお、レジュメ等配布物について初回で説明する予定です。
参考文献『民法判例百選Ⅱ 債権〔第8版〕』窪田充見・森田宏樹編(有斐閣、2018年)
参考文献『START UP 民法③債権総論 判例30!』田高寛貴・白石大・山城一真(有斐閣、2017年)
参考文献『債権総論〔第3版〕』田山輝明(成文堂、2011年)
参考文献『債権総論 第3版』 中田裕康(岩波書店、2013年)

準備学修の内容

 毎回の予習として、教科書の該当箇所を事前に読んでおくとよいでしょう。その際、重要な用語だと思ったものをメモしておきましょう。抽象的な内容を多く学修するので、理解しやすくするために、毎回の授業の前にどのような内容をこれから学ぶのか、確認することが必要となります。
 授業後は、配布物、ノート、教科書を見直して、不明点がないか確認しましょう。このとき、重要だと思った用語については、数行で自分の言葉でまとめておきましょう。学修する範囲が広く、学んだ内容のつながりが分かるように整理をしておかないと、混乱して収拾がつかなくなってしまうので、定期的に授業で学んだことをきちんと復習しておきましょう。知識の定着にも有用です。
 試験には自分で問題の答えを説明できるかが関わってきますので、学んだことを文章にして説明できるか、考えることが大切です。

その他履修上の注意事項

 ・授業の際には、忘れずに小型の六法を持参すること。
 ・自分が学んでいるものが、どのような制度なのか、どのような考え方によるものなのか、頭の中で常に確認しながら学修してください。
 ・民法総論や物権法に関連する部分が多くありますので、分からないところなどは民法総論や物権法の内容を参照してください。
 ・授業中の私語など、他の受講生の迷惑になる行為は禁止です。
 ・この科目は「債権総則II」の内容と連続しています。

授業内容

授業内容
第1回 ガイダンス、債権とは何か
第2回 債権の目的1:債権の目的とは何か、債権の種類、特定物債権と種類債権
第3回 債権の目的2:金銭債権、選択債権
第4回 債権の効力1:序説、債権にはどのような効力があるのか
第5回 債権の効力2:履行の強制
第6回 債権の効力3:債務不履行1(債務不履行序説、債務不履行の諸類型) 
第7回 債権の効力4:債務不履行2(損害賠償① 原則)
第8回 債権の効力5:債務不履行3(損害賠償② 範囲)
第9回 債権の効力6:債務不履行4(損害賠償③ 損害賠償額の調整、予定)、受領遅滞
第10回 責任財産の保全1:序説(責任財産とは何か)、債権者代位権1(意義、要件)
第11回 責任財産の保全2:債権者代位権2(行使の方法、行使の範囲、効果)
第12回 責任財産の保全3:債権者代位権3(転用)
第13回 責任財産の保全4:詐害行為取消権1(意義、要件)
第14回 責任財産の保全5:詐害行為取消権2(要件、行使の方法)
第15回 まとめと試験
 ※上記授業計画は、状況に応じて変更することがあります