担当者 | 則武 輝幸教員紹介 | |
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単位・開講先 | 選択 2単位 [法律学科 2017年度以前] | |
科目ナンバリング | ILA-311 |
第二次世界大戦までは、人権問題は原則として国内問題として扱われ、国際法によって規律されることはほとんどなかった。しかし、ナチスドイツの大規模かつ組織的な人権侵害を見逃したことが、第二次世界大戦の一因となったという反省から、平和と人権は切り離して考えることができないという認識が生まれ、第二次大戦後は、国家に人権の保護を義務付け、実施のための手続きを定める国際法、すなわち国際人権法が急速に発展を遂げてきた。国際人権法(2014年度までの国際法特講A)では、これらの国際人権法について、基本的な知識の習得を目指して、最新の具体的事例を踏まえて講義する。なお、この科目は2002年度までは4年次配当であったが、2003年度より3・4年次配当、2006年度より3年次配当となったので、3年生でも履修可能である。
①国際法のより高度な発展科目として、国際人権法の形成と発展の過程について理解できるようになる。
②国際法のより高度な発展科目として、人権の国際的保護のための法的枠組みについて理解できるようになる。
原則として、期末試験100%で評価する。中間試験やレポートは実施しない(詳しくは第1回で指示する)。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 『国際人権法』 | 渡部 茂己 編著 | (国際書院) |
参考文献 | 『人間の法的権利』 | ポール・シガート 著、初川 満 訳 | (信山社) |
参考文献 | 『国際人権法概論』 | 初川 満 | (信山社) |
参考文献 | 『テキストブック国際人権法(第3版)』 | 阿部 浩己・今井 直 | (日本評論社) |
参考文献 | 『人権法入門―国境をなくす「人権」―』 | 萩原 重夫 | (明石書店) |
参考文献 | 『国際人権法入門』 | トーマス・バーゲンソル 著、小寺 初世子 訳 | (東信堂) |
参考文献 | 『国際人権入門(第2版)』 | 横田 洋三 編 | (法律文化社) |
参考文献 | 『ブリッジブック国際人権法』 | 芹田 健太郎・薬師寺 公夫・坂元 茂樹 | (信山社) |
参考文献 | 『国際人権・刑事法概論』 (2012年度までのテキスト) | 尾崎 久仁子 | (信山社) |
必ず教科書・プリント・ノートで予習・復習をして、自学自習の習慣を身に付けて頂きたい。
毎回、予習プリントと復習プリントを配布するので、必ず記入して提出すること(詳しくは、授業内で指示する)。
教室に座っていさえすれば単位がもらえると思っているならば、大間違いである。
①国際法Ⅰ(歴史・法源)、国際法Ⅱ(主体)、国際法Ⅲ(空間)、国際法Ⅳ(秩序維持)、国際安全保障法、国際政治学I・II、外交史I・II、国際組織法I・II、国際裁判所論I・II、国際関係論I・II、国際刑事法I・II。ことに国際法Ⅰ(歴史・法源)、国際法Ⅱ(主体)、国際関係論I・IIの単位を既に取得し、同じ3年次配当の国際法Ⅲ(空間)、国際法Ⅳ(秩序維持)、国際安全保障法、国際経済法I・II、国際裁判所論I・IIを並行して履修していることが、極力望ましい。
②毎日、新聞の国際欄を読んだり、テレビのニュースを見たりして、自発的に国際問題に対する関心を深めるよう、努力して頂きたい。
③テキストの順序に従って講義するが、随時、補足のためにプリントも配布する。講義の初日と最終日のみ出席するようないい加減な受講態度では、単位の取得は望めない。「先生の話はだまって聞きましょうね」、「勝手にお外に出てはいけません」とは幼稚園児が習うことである。幼稚園児「未満」の振舞いは、厳に謹んで頂きたい。途中で出て行くつもりなら、初めから来なくてよろしい。
回 | 授業内容 |
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第1回 | 教科書の構成に従って、以下の順序で講義する。 オリエンテーション |
第2回 | 人権の国際的保護の歴史① ヨーロッパ国内における人権保護の歴史 人権問題の国際化 |
第3回 | 人権の国際的保護の歴史②(プリントで補足) 第一次世界大戦まで―外国人の保護 |
第4回 | 人権の国際的保護の歴史③(プリントで補足) 第一次世界大戦まで―条約による少数者の保護、奴隷売買の禁止 |
第5回 | 人権の国際的保護の歴史④(プリントで補足) 第一次世界大戦まで―国際人道法の登場、人道的干渉の主張 |
第6回 | 人権の国際的保護の歴史⑤(プリントで補足) 戦間期―国際連盟による少数者の保護、委任統治 |
第7回 | 人権の国際的保護の歴史⑥(プリントで補足) 戦間期―国際労働機関(ILO)による労働者の保護、難民の保護 |
第8回 | 人権保障と国連システム① 2006年までの制度 |
第9回 | 人権保障と国連システム② 2006年以後の制度 |
第10回 | 人権保障のための普遍的条約① 国際人権規約 |
第11回 | 人権保障のための普遍的条約② 国際人権規約以外の普遍的人権条約 人権条約の国際的実施制度 |
第12回 | 人権保障のための地域的条約 女性の権利 子どもの権利 |
第13回 | 労働者の権利 難民の権利 先住民族の権利 開発と人権 |
第14回 | 国際人道法(プリントで補足) |
第15回 | 国際刑事裁判所(プリントで補足) ただし、以上は大まかな予定であり、必ずしもこの通りに進行するとは限らない。 |