現代政治理論Ⅱ
担当者川人 貞史教員紹介
単位・開講先選択必修  2単位 [政治学科]
科目ナンバリングPOL-302

授業の概要(ねらい)

現代政治理論では,特に現代日本政治を中心として,現代政治学,政治過程論,比較政治学の知見・知識にもとづく政治制度とその作動に関する分析を概説します.現代政治では,政治制度の制約の下で政治アクターたちが互いに影響を及ぼしながら活動しています.現代政治理論Ⅱでは,代表民主政治のメカニズムに焦点を当てます.有権者から直接選挙によって選出された議員で構成される議会において,立法や予算の議決などの決定が行われ,また,議院内閣制では議会の多数派が政権を形成します.立法における多数派と政権形成における多数派がどのように形成され,議会内でどのような対立・協調のダイナミックスがあるかを概説します.また,日本を事例として,政権を担当する内閣における首相と大臣および内閣を支える行政官僚制について概説します.内閣と行政 官僚制の間のいわゆる政官関係などについても概説します.

授業の到達目標

①議院内閣制における政権形成と政党間競争・協力のメカニズムについて理解します.
②内閣の権限と組織について理解します.
③内閣と行政官僚制の関係について理解します.

成績評価の方法および基準

 授業の各回における出席および授業内容をよく理解するために随時実施するミニ課題の回答,LMSにアップされた授業スライドの既読マーク(あわせて50%),授業内試験(50%)にもとづいて評価します.

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書『シリーズ日本の政治1 議院内閣制』川人貞史東京大学出版会,2015年
教科書このテキストは,現代政治理論Ⅰでも用います.
そのほかは講義で指示します.
参考文献

準備学修の内容

 各回の授業内容は,下記の通りを予定しているが,進行状況により,内容が繰り上がったり,繰り下がったりすることがあることに注意してください.
①講義前には該当範囲を読んで予習することが好ましいです.
②講義ではテキストを参照することが多いので,必ず持ってきてください.
③講義後には,とったノートを読み返し,授業の後にLMSにアップロードされ,一定期間閲覧可能な授業のパワーポイントのスライド(PDF)を必ずダウンロードして復習し,既読マークをつけることにより,教員が確認できるようにします.

その他履修上の注意事項

 春学期の現代政治理論Ⅰも履修してください.
 自分で自ら考える習慣をつけるようにして,自分が日頃ニュースやネットなどで触れる政治について疑問を持つようにしてください.

授業内容

授業内容
第1回 イントロダクション
第2回 解散
第3回立法と2院制
第4回 政党内閣と連合
第5回 政権合意および日本における連合と政権合意
第6回 内閣と議会政党
第7回 マジョリテリアン・モデルとコンセンサス・モデル
第8回 日本における与野党の対立と強調
第9回 議院内閣制の類型
第10回 首相の権限〜イギリスの首相と内閣
第11回 日本の首相と内閣
第12回 内閣機能強化と内閣官房・官邸
第13回 内閣の担当大臣,内閣府と特命担当大臣
第14回 首相動静に見る政権中枢
第15回 まとめと授業内試験