担当者 | 石島 健太郎 | |
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単位・開講先 | 選択 2単位 [社会学科] | |
科目ナンバリング | SOC-304 |
ドイツの社会学者、ニクラス・ルーマンは、社会のあらゆる事象を分析しうる理論の形成を目指し、演算において閉じたオートポイエーティックなコミュニケーション・システムとして社会を捉え、その機能的な分化を近代社会の特徴として理解する洗練された社会理論を彫琢した(受講前の時点では何を言っているのかわからなくてもよい。要は、ルーマンは社会を記述するすごい理論を作った)。本講義は、このルーマンの理論を入り口としながら、社会システム理論および関連する社会学理論を学ぶことを目的とする。あわせて、他の講義や演習ではなかなか読む機会のない硬派な学術書を実際に読み、自分自身で直接に格闘する知的体力をつけることも目指したい。
以上の目的のもと、今年度秋期ではブルーノ・ラトゥールの社会理論を扱う。近代社会がもつリスクをめぐる議論、とりわけ環境問題について、ルーマンは脱中心的に機能分化した社会システムにはそれを解決することが難しいことを指摘している。それが可能であるとしたら、環境問題の環境をシステムに内包することが必要になる。この発想はラトゥールのアクターネットワーク理論における「物の議会」の議論に接近するものである。こうした比較を通じて、ルーマンとラトゥール双方の理解を深めたい。
なお、本講義は学期を通じて音声を中心としたオンライン形式で開講される。講義に対する質問・批判は、インターネット上の質問フォームで受け付け、授業音声とは別にリプライの音声をアップロードする。
社会システム論についての学説史的な概略を理解し、説明できること。
ルーマンの社会システム論の基本的な概念を理解し、説明できること。
ラトゥールとルーマンの議論を比較し、その違いを説明できること。
単位の有無は実質を伴った出席の回数に基づく。評価の高低は講義中の議論への参加の程度に基づく。期末試験、期末レポートは課さない。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 『ブルーノ・ラトゥールの取説』 | 久保明教 | 月曜社 |
参考文献 | 『ルーマン 社会システム理論』 | ゲオルグ・クニール、アルミン・ナセヒ著、舘野受男ほか訳 | 新泉社 |
参考文献 | 『ニクラス・ルーマン入門――社会システム理論とは何か』 | クリスティアン・ボルフ著、庄司信訳 | 新泉社 |
毎回の講義内容をよく復習しすること。自分の言葉で説明できることとできないことを腑分けし、後者については自学自習や質問を通じて理解し、自らの血肉とされたい。
第1回の授業から必ず受講すること。
授業の中で教科書を読み合わせながら進行するので、教科書は必ず入手すること。講義内容への質問・批判等を通じた積極的な授業参加を期待する。
回 | 授業内容 |
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第1回 | イントロダクション:授業計画および概略を示し、評価基準について詳説する。 |
第2回 | 教科書の読み合わせ:以下、教科書を実際に読みながら解説をおこなう。授業の進行速度は履修者の理解の状況をみながら調節する。 |
第3回 | 教科書の読み合わせ |
第4回 | 教科書の読み合わせ |
第5回 | 教科書の読み合わせ |
第6回 | 教科書の読み合わせ |
第7回 | 教科書の読み合わせ |
第8回 | 教科書の読み合わせ |
第9回 | 教科書の読み合わせ |
第10回 | 教科書の読み合わせ |
第11回 | 教科書の読み合わせ |
第12回 | 教科書の読み合わせ |
第13回 | 教科書の読み合わせ |
第14回 | 教科書の読み合わせ |
第15回 | ルーマンとラトゥールのエコロジー |