障害児(肢)の心理
担当者石川 政孝
単位・開講先選択  2単位 [初等教育学科 初等教育コース]
科目ナンバリングSNE-205

授業の概要(ねらい)

 【選択科目】【特別支援教育に関する科目・特別支援教育領域に関する科目・心身に障害のある幼児、児童又は生徒の心理、生理及び病理に関する科目】
 肢体不自由児の心理的傾向や問題には、①知的障害児及び病弱児と共通してみられることがら(例えば劣等感など)と、②肢体不自由児にだけに多くみられることがらの2種類に分類できる。前者は、「障害に共通する心理的傾向と問題」、後者は、「独自な心理的傾向と問題」と名付けることができる。
 本授業は、肢体不自由児の心理の理解の方法と「障害に共通する心理的傾向と問題」の種類と原因及びそれらの特徴に配慮した指導について述べ、特別支援教育で必要とされる基本的な知識や理解を与える。

授業の到達目標

 子どもの身体的心理的発達について知り、肢体不自由が発達や学習に及ぼす影響について説明できる。
 肢体不自由児を中心に、知的障害児及び病弱児などに共通する心理的傾向及び問題について説明できる。
 障害児を指導する際に必要となる基本的な知識や理解をもち、適切な心理的・教育的援助をすることができる。

成績評価の方法および基準

 試験(90%)とレポート(10%)及び授業への参加態度を総合して評価する。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書(1988) 『障害者心理 その理解と研究法』 中司利一ミネルヴァ書房
参考文献

準備学修の内容

 障害者の問題に関する新聞記事などの報道に関心をもち、授業内容と関連させて考え、レポートを作成する。

その他履修上の注意事項

 障害児の理解のための観察者の視点、対話者の視点及び共感者の視点をもつこと。

授業内容

授業内容
第1回 はじめに、オリエンテーション、授業の目的、内容、進め方、評価方法、参考書について
第2回 1.肢体不自由児の心理的傾向と問題及びその理解の方法
 (1)子どもにみられる心理と、肢体不自由児にみられる心理的傾向と問題
第3回 (2)肢体不自由児に独自な心理的傾向と問題
    重度肢体不自由児のコミュニケ―ションの事例研究から
第4回 (3)ロールプレイ
    重度肢体不自由者とのコミュニケーションを想定したやりとり
第5回 (4)知的障害を重複した肢体不自由児にみられる心理的傾向と問題
第6回 2.肢体不自由児の心理的傾向と問題を理解する方法
 (1)観察・調査・検査等について
第7回 (2)心理検査の基礎、運動発達 発達検査と知能検査
第8回 (3)知能検査の実際 WISC-Ⅳの実技①
第9回 (4)知能検査の実際 WISC-Ⅳの実技②
第10回 3.肢体不自由児・知的障害児・病弱児に共通する心理的傾向と問題
 (1)欲求不満と代償的行動
 基本的要求、障害と欲求不満
第11回 (2)不安と劣等感
 肢体不自由児の不安と心理及び行動、不安と劣等感への対応と指導
第12回 (3)学習の遅れとつまずき①
 学習の内容と過程及びその要因、学習の発達
第13回 (4)学習の遅れとつまずき②
 肢体不自由児の学習の遅れの実態と原因、必要とされる指導
第14回 (5)教育的環境
 環境の剥奪と親子関係、障害の受容
第15回 授業の振り返りとまとめ及び試験