担当者 | 石川 敬史教員紹介 | |
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単位・開講先 | 選択 2単位 [文学研究科 日本史・文化財学専攻] | |
科目ナンバリング |
大学院修士課程以上の研究を行うためには、自分が専攻する地域とさらにもう一つの専門分野についての知見が必要です。比較する視座を持たずに専門性を論じることはできません。これは日本史・文化財学を専攻する大学院生にとっても重要な要件です。この授業では、アメリカの政治学者パトリック・J・デニーン『リベラリズムはなぜ失敗したのか』を講読し、西洋政治思想史における最大の発明である「リベラリズム」の現代アメリカでの展開とその今日における顛末を検討します。この演習の狙いは、西洋発の政治思想が今日の世界にどのような影響を与えているかという視座から、歴史を研究する素養の底上げを行うことにあります。日本史・文化財学専攻の大学院生にとっても参考になる知見を数多く見出せるでしょう。
アメリカ文明論という視座を獲得する。
修士論文作成を行うための素養を身につける。
授業への参加姿勢、特に発言の活発さを最大限重視します。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 『リベラリズムはなぜ失敗したのか』 | パトリック・J・デニーン(角敦子訳) | 原書房 |
参考文献 | 適宜指示します。 |
受講者は授業で検討する文献の箇所を事前に熟読し、自分のコメントを用意してください。
受講者の主体的な参加姿勢がなければ成立しない授業なので、自分自身が授業を作り上げるつもりで出席してください。
受講者の西洋史の知識は問いません。
受講者は、必ずしも多くはないと考えられますので、受講者が執筆を目指す修士論文についての相談も気軽に行ってください。西洋史を専攻とする教員の意見も参考になります。
回 | 授業内容 |
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第1回 | ガイダンス テキストについての解説と、授業の運営方針を説明する。 |
第2回 | 「序 リベラリズムの終焉」講読 教員による講義と議論 |
第3回 | 第1章 「持続不可能なリベラリズム」講読(1) 教員による講義と議論 |
第4回 | 第1章 「持続不可能なリベラリズム」講読(2) 教員による講義と議論 |
第5回 | 第2章 「個人主義と国家主義の結合」講読(1) 教員による講義と議論 |
第6回 | 第2章 「個人主義と国家主義の結合」講読(2) 教員による講義と議論 |
第7回 | 第3章 「アンチカルチャーとしてのリベラリズム」講読(1) 教員による講義と議論 |
第8回 | 第3章 「アンチカルチャーとしてのリベラリズム」講読(2) 教員による講義と議論 |
第9回 | 第4章 「技術と自由の喪失」講読 教員による講義と議論 |
第10回 | 第5章 「リベラリズム VS リベラルアーツ」講読(1) 教員による講義と議論 |
第11回 | 第5章 「リベラリズム VS リベラルアーツ」講読(2) 教員による講義と議論 |
第12回 | 第6章 「新たな貴族制」講読 教員による講義と議論 |
第13回 | 第7章 「市民性(シティズンシップ)の没落」講読 教員による講義と議論 |
第14回 | 結論 「リベラリズム後の自由」講読 教員による講義と議論 |
第15回 | 総括 ・本書解説を中心に自由なディスカッションを行い、本演習の総括を行う。 ・修士論文執筆に当たってのアドヴァイスも行う。 |