比較地域学方法論Ⅰ
担当者石川 敬史教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [文学研究科 日本史・文化財学専攻]
科目ナンバリング

授業の概要(ねらい)

 大学院修士課程以上の研究を行うためには、自分が専攻する地域とさらにもう一つの専門分野についての知見が必要です。比較する視座を持たずに専門性を論じることはできません。これは日本史・文化財学を専攻する大学院生にとっても重要な要件です。この授業は、デイヴィッド・アーミテイジ『〈内戦〉の世界史』(岩波書店)の精読を通して、内戦という視座から世界史についての素養を涵養することを狙いとしています。

授業の到達目標

ヨーロッパ・アメリカ文明論という視座を獲得する。
修士論文作成に必要な素養を修得する。

成績評価の方法および基準

授業への参加姿勢、特に発言の活発さを最大限重視します。
自由なディスカッションを中心とした演習です。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書『〈内戦〉の世界史』デイヴィッド・アーミテイジ(平田雅博・阪本浩・細川道久訳)岩波書店
参考文献適宜指示します。

準備学修の内容

受講者は授業で検討する文献の箇所を事前に熟読し、自分のコメントを用意してください。

その他履修上の注意事項

受講者の主体的な参加姿勢がなければ成立しない授業なので、自分自身が授業を作り上げるつもりで出席してください。
受講者の西洋史の知識は問いません。
受講者は、必ずしも多くはないと考えられますので、受講者が執筆を目指す修士論文についての相談も気軽に行ってください。西洋史を専攻とする教員の意見も参考になります。

授業内容

授業内容
第1回ガイダンス
テキストについての解説と、授業の運営方針を説明する。
第2回【序章 内戦との対峙】講読
教員による講義と議論
第3回【第一部 ローマからの道】
第一章 「内戦の発明:ローマの伝統」講読(1)
教員による講義と議論
第4回【第一部 ローマからの道】
第一章 「内戦の発明:ローマの伝統」講読(2)
教員による講義と議論
第5回【第一部 ローマからの道】
第二章 「内戦の記憶――ローマ人の描く心象」講読(1)
教員による講義と議論
第6回【第一部 ローマからの道】
第二章 「内戦の記憶――ローマ人の描く心象」講読(2)
教員による講義と議論
第7回【第二部 初期近代の岐路】
 第三章 「野蛮(アンシヴィル)な内戦: 一七世紀」講読(1)
教員による講義と議論
第8回【第二部 初期近代の岐路】
第三章 「野蛮(アンシヴィル)な内戦: 一七世紀」講読(2)
教員による講義と議論
第9回【第二部 初期近代の岐路】
第四章 「革命の時代の内戦:一八世紀」講読(1)
教員による講義と議論
第10回【第二部 初期近代の岐路】
第四章 「革命の時代の内戦:一八世紀」講読(2)
教員による講義と議論
第11回【第三部 今日への道】
第五章 「内戦の文明化: 一九世紀」講読(1)
教員による講義と議論
第12回【第三部 今日への道】
第五章 「内戦の文明化: 一九世紀」講読(2)
教員による講義と議論
第13回【第三部 今日への道】
第六章 「内戦の世界:二〇世紀」講読(1)
教員による講義と議論
第14回【第三部 今日への道】
第六章 「内戦の世界:二〇世紀」講読(2)
教員による講義と議論
第15回総括
・【結論 言葉の内戦】を中心に自由なディスカッションを行い、本演習の総括を行う。
・修士論文執筆に当たってのアドヴァイスも行う。