経済学史Ⅰ
担当者西澤  保
単位・開講先選択  2単位 [経済学科]
科目ナンバリングEDE-203

授業の概要(ねらい)

 市場と政府、経済と倫理、成長と福祉などの問題を中心に、アダム・スミスとその時代からケインズと現代に至る経済学史・経済思想史を検討します。経済学史Iでは、資本主義経済と経済学・経済思想の歴史における転機である1870年代以降の経済思想史・経済政策思想史を中心に現代的な観点から検討する。古典派経済学から新古典派経済学へ、歴史学派・社会政策学派の経済思想、救貧法から福祉国家へ、マーシャルの経済思想、創設期の厚生経済学と福祉国家、ケインズの経済思想;ケインズ、ベヴァリッジとイギリス福祉国家の成立などが主要な内容になる。

授業の到達目標

 この時期の主要な経済学者と経済思想、ジェヴォンズ、マーシャル、ピグー、歴史学派とオクスフォード・エコノミスト、ウェッブ夫妻、ケインズとケインズ主義、等々について、基礎的な知識を習得する。市場と政府、経済と倫理、成長と福祉などに関するこれらの経済学者・経済思想の歴史的な展開を理解し、現代社会が当面する問題について、歴史的な考え方を学ぶ。正確な知識に基づいて、課題に即した論述ができること。

成績評価の方法および基準

 授業内試験(60%)、(平常点40%、コメントペーパーを重視)とし、総合的に評価する。授業中に参考文献、準備学習について指示することもあり、授業にきちんと出席して、コメント・パーパーを提出することを重視する。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書 テキストはとくに使いませんが、授業中にプリントを配布し文献を指示する。
 
参考文献『創設期の厚生経済学と福祉国家』西沢保・小峯敦編著(ミネルヴァ書房)
参考文献『ケンブリッジ 知の探訪-経済学・哲学・文芸』西沢保・平井俊顕編著(ミネルヴァ書房)
参考文献『資本主義の革命家ケインズ』バックハウス、ベイトマン著、栗林訳・西沢監訳(作品社)
参考文献『経済学の歴史』中村達也他(有斐閣)

準備学修の内容

 授業内容をよく復習し、参考文献、授業中に指示する文献、配布するプリント等をよく読んで基本的な知識を習得し、コメント・ペーパー、授業内試験において、正確な知識に基づいて課題に即した論述ができるように準備すること。

その他履修上の注意事項

 授業に出席し積極的に参加すること。通年で(経済学史 I, II を通して)、アダム・スミスの時代からケインズの時代までを検討するので、通年で受講することを希望します。

授業内容

授業内容
第1回 イギリス資本主義と自由主義の変遷(市場と政府の見方の変遷)
第2回 古典的自由主義から新自由主義へ
第3回 新自由主義からネオ・リベラリズムへ
第4回 古典派経済学から新古典派経済学へ
第5回 ジェヴォンズ革命とイギリス経済政策の転換1
第6回 ジェヴォンズ革命とイギリス経済政策の転換2
第7回 歴史学派の経済思想
第8回 歴史学派の経済思想とオクスフォード・エコノミスト
第9回 救貧法から福祉国家へ
第10回 マーシャルの経済思想1
第11回 マーシャルの経済思想2
第12回 創設期の厚生経済学と福祉国家
第13回 ケインズの経済思想
第14回 ケインズ、ベヴァリッジとイギリス福祉国家
第15回 まとめと授業内試験