担当者 | 西田 令一教員紹介 | |
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単位・開講先 | 選択 2単位 [総合基礎科目] | |
科目ナンバリング | ARS-108 |
共和党の現職ドナルド・トランプ氏と一騎打ちの選挙戦を演じる民主党候補も指名され、いよいよ11月早々の大統領選で次の4年間、アメリカの舵取りを託される指導者が決まります。「米国第一主義」を前面に押し出して、経済政策面で保護貿易主義的傾向を、外交・安全保障政策面では孤立主義的傾向を強めてきたトランプ氏が再選を果たして、政権を維持しその路線を継続するのか、それとも、民主党候補が勝利して政治や政策の流れを変えるのか。米国は中国などの台頭とともに相対的に力を落としてきたとはいえ、今も国際情勢を大きく左右する唯一の超大国であることに変わりはなく、2020年の「米国民の選択」からは目が離せません。
秋期では、候補者選びの予備選段階を終えてすでに本選挙に突入している大統領選を中心に授業を進めていきます。選挙情勢を分析し、その行方を展望するとともに、選挙の結果が米国の内政や世界の政治、経済に何をもたらすのか、米国と中国や欧州との関係にどのように波及していくのかを重点的に見ていくつもりです。もちろん、日米関係への影響も劣らず重視します。
春期に引き続き、アメリカの政治、外交、経済、社会について関心を抱き、基礎的な知識を身につけること、その結果として、米国を見る目を持てるようになることを目標とします。授業で蓄積したものが、大学で他の科目を学習する際も、卒業し実社会に出てからも役立つようになることを目指す点も変わりません。
春期と同様、最終回の授業内に基礎知識と理解度を試すテストを実施し、その出来具合に最大の比重を置き、授業への参加態度も加味して評価します。テストは、選択問題と論述問題の2本立てで、教材などの持ち込みは認めません。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 秋期でも、プリントした教材を毎回、用意します。「アメリカ」に関して大学で行う授業ですから、教材の資料部分には英語を使用しますが、必ず日本語の対訳を施します。春期と同じく、動画もほぼ毎回、使用して、取り上げるテーマを視聴覚的に理解できるように工夫します。 | ||
参考文献 |
トランプ政権の注目度は、良きにつけ悪しきにつけ、歴代米政権のそれを上回っていて、大統領選の年だけに、政権や選挙の関連ニュースはかなり増えています。秋期でも、新聞、テレビ、インターネットなどで伝えられるその動きに、できるだけ日ごろから目を向けるようにしておいてください。
特定の教科書があって、それに沿っての授業ではなく、生の動きに合わせた授業が多くなるのは、秋期も同じです。講義することがほぼすべてとなりますので、積極的に参加する姿勢が求められます。
回 | 授業内容 |
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第1回 | イントロダクション(授業の進め方と目標、成績評価の方法、授業への準備、心構えなどの説明を受ける)。 |
第2回 | 米紙ワシントン・ポストの記者2人が調査報道によってニクソン大統領を退陣に追い込んだ1970年代のウォーターゲート事件を描いた映画『大統領の陰謀』の前編を視聴する。 |
第3回 | ポスト紙とニクソン政権の攻防が頂点に達する『大統領の陰謀』後編を視聴する。 |
第4回 | ニクソン退陣と比較しつつトランプ大統領弾劾訴追の再選への影響について学ぶ。 |
第5回 | 民主党の大統領候補はどんな人物でなぜ指名を獲得できたかなどについて学ぶ。 |
第6回 | 投票直前の大統領選情勢と、連邦制の国ならではの本選挙の仕組みについて学ぶ。 |
第7回 | 大統領選の結果と、勝因、敗因の分析などに基づく米内政への影響について学ぶ。 |
第8回 | 同時に行われた上下両院選挙に伴う議会の新勢力分野と、その意味について学ぶ。 |
第9回 | 大統領選の結果を受けて米国の対外経済政策がどうなっていくのかについて学ぶ。 |
第10回 | 最大の脅威、中国などに対する外交安保政策の、大統領選後の展望について学ぶ。 |
第11回 | 大統領選後の日米関係とその基軸を成す日米安全保障条約の特殊性について学ぶ。 |
第12回 | 大統領選結果を受けて進む政権の人事構想と米独特の政治任用制度について学ぶ。 |
第13回 | 米司法府が持つ重みと、トランプ政権下で保守に傾いた連邦最高裁について学ぶ。 |
第14回 | ハイテク企業を中心に好調な米国経済に選挙結果が及ぼす影響などについて学ぶ。 |
第15回 | 秋期授業のおさらいと授業内テスト |