幼児と言葉
担当者杉本 真理子教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [初等教育学科 こども教育コース]
科目ナンバリングESS-112

授業の概要(ねらい)

 保育内容の領域「言葉」は、「経験したことや考えたことなどを自分なりの言葉で表現し、相手の話す言葉を聞こうとする意欲や態度を育て、言葉に対する感覚や言葉で表現する力を養う」ことを目指すものです。幼稚園教育において育みたい資質能力について理解し、保育内容の領域「言葉」の指導の基盤となる、幼児が豊かな言葉や表現を身に付け、想像する楽しさを広げるために必要な専門的事項に関する知識を身に付けると共に、幼児の発達に即して、具体的な指導場面を想定して保育を構想する方法を身に付けることを目標としています。しかしそれに留まらず、保育における子どもの見方、子どもへの関わり方といった保育者の姿勢も学びます。

授業の到達目標

①人間にとっての言葉の意味や機能を理解する。
②幼稚園教育要領に示された幼稚園教育の基本を踏まえ、領域「言葉」のねらい及び内容を理解する。
③子どもが言葉を獲得していく過程を理解する。
④言葉に対する感覚を豊かにする実践について、具体的な指導場面を想定した保育を構想する方法を身に付ける。
⑤言葉を育て、想像する楽しさを広げる児童文化財の幼児にとっての意義を理解する。

成績評価の方法および基準

授業への参加態度(毎回のコメントペーパー)・提出物で(60%)、学期末の試験(40%)を総合して評価します。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書平成29年告示 幼稚園教育要領・保育所保育指針・幼保連携型認定こども園教育・保育要領〈原本〉文部科学省・厚生労働省・内閣府チャイルド本社
参考文献『幼稚園教育要領解説 平成30年3月』文部科学省フレーベル館
参考文献『保育所保育指針解説書 平成30年3月』厚生労働省フレーベル館
参考文献保育内容 言葉 ―基礎的事項の理解と指導法―戸田雅美編著建帛社
参考文献『新保育講座10 保育内容「言葉」』高杉 自子 他編ミネルヴァ書房
参考文献『保育の中の小さなこと 大切なこと』守永 英子 他フレーベル館

準備学修の内容

①保育で用いる制作物の宿題が出ます。これには大変時間がかかります。手間を惜しまず、丁寧に仕上げて下さい。
②授業内容に対応する子どもの具体的姿を観察し、記録していく。

その他履修上の注意事項

①帝京大学幼稚園の見学をはじめ、幼稚園・保育所のボランティアなどに参加し、実際の保育の様子を知る努力や、子どもと関わる経験を、自分から積み重ねていって下さい。
②よい保育者には発想の柔軟さや豊かな感性も不可欠ですから、質の高い児童文学や絵本、玩具などに日ごろから親しんで下さい。

授業内容

授業内容
第1回導入 ①受講上の注意 ②保育内容のとらえ方と領域「言葉」
第2回ことばの発達(1) ①ことばの発生 ②2・3歳ころのことば
第3回ことばの発達(2) ③4・5歳ころのことば ④ことばの働き 
第4回ことばの発達(3) ⑤就学前のことば ⑥文字への興味 
第5回保育の中の言葉(1)ことばを豊かにする ①ことば遊びを体験する ②ことば遊びの展開を考える ③グループ発表をする
第6回保育の中の言葉(2)保育者の役割と具体的な援助を学ぶ ①ことば遊びを体験する ②ことば遊びの展開を体験する
第7回ことば遊び(1) ①ことば遊びを体験する ②関連する作品の構想を練る
第8回ことば遊び(2) ③関連する作品の作製
第9回ことば遊び(3) ④関連する作品をクラスでのシェアする ⑤作品の評価について学ぶ
第10回ことば遊び(4) ①ことば遊びの実践記録から学ぶ ②グループでことば遊びを創作する 
第11回ことば遊び(5) ③創作したことば遊びをグループごとに発表する
第12回教材研究(1) ①保育実践記録を読み込む ②子どもの思いと保育者の働きかけの意図について考える
第13回教材研究(2) ③具体的保育実践と幼稚園教育要領の保育内容の「ねらい」・「内容」・「内容の取扱い」との関連を考える
第14回教材研究(3) ④幼稚園教育要領の領域「言葉」における「ねらい」と「内容」、「内容の取扱い」について、具体的な保育をイメージし、領域「言葉」の活動を考える 
第15回まとめ:今学期の学習を振り返る。

履修者の人数、特性により、予定を変更することがあります。