西洋政治思想史Ⅱ
担当者
単位・開講先選択  2単位 [史学科]
科目ナンバリングHIT-206

授業の概要(ねらい)

 前半はルネサンス時代フィレンツェの思想家・芸術家を取り上げ、彼らの著作や芸術作品に込められた政治思想を読み解く。近代以前の重要な芸術作品は、国王やローマ教皇といった権力者が、特定の政治状況の下に明確な意図をもって注文した公共財である。それゆえ芸術作品は政治思想研究の素材となりうる。芸術作品を歴史学の目で読み解くことの面白さを味わってもらいたい。
 後半は近世ヨーロッパの宮廷を取り上げ、国王権力とのかかわりで宮廷が果たした政治的機能を明らかにする。

授業の到達目標

 図像史料を見て、その作品記述ができること
 図像に込められた政治思想を、当時の歴史的文脈に照らして読み取り、その内容を的確に表現できること

成績評価の方法および基準

 2回のミニレポート50%、期末試験50%

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書「メディチ家」森田義之講談社現代新書
参考文献

準備学修の内容

 授業終了後にプリントとノートを読み直しておくこと

その他履修上の注意事項

 毎回小さな課題を出して答案を書いてもらい、その提出をもって出席を認定する

授業内容

授業内容
第1回オリエンテーション
フィレンツェ共和政と市民的人文主義
第2回メディチ家の支配と芸術保護活動
第3回プラトン・アカデミーの哲学と政治
第4回サヴォナローラの改革思想と神聖政治
第5回ローマ教皇庁におけるラファエロのフレスコ画
(第1回ミニレポート出題)
第6回フィレンツェ共和政とミケランジェロ
(第1回ミニレポート提出) 
第7回トスカナ大公コジモ1世の学問・芸術政策
(第1回ミニレポート返却)
第8回ヴァザーリの生涯と芸術活動
第9回ヴェッキオ宮殿五百人広間の図像分析
(第2回ミニレポート出題)
第10回シエナの都市と芸術
(第2回ミニレポート提出)
第11回近世ヨーロッパの宮廷
(第2回ミニレポート返却)
第12回ヴェルサイユ宮殿の図像
第13回ヴェルサイユ宮殿の政治学:エリアス『宮廷社会」を読む
第14回ハプスブルグ家の宮廷
第15回後半のまとめと期末試験