担当者 | ||
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単位・開講先 | 選択 2単位 [史学科] | |
科目ナンバリング | HIT-205 |
近年の歴史学は、絵画・彫刻・建築といった図像史料を重要な研究対象としている。なぜなら近代以前の芸術作品の多くは、王や皇帝といった権力者が特定の意図をもって作らせたものであり、 それゆえそこに込められた政治思想を読み取ることができるからである。前半は古代アテネのパルテノン神殿の彫刻のなかに前5世紀アテネ市民の思想を読み取り、後半は古代ローマの公共建築に込められた皇帝たちの政治思想を解読する。これらを通して、芸術作品を単に「見る」のでなく、「読む」ことの面白さを味わってほしい。
図像史料を見て、その作品記述ができること
図像に込められた政治思想を、当時の歴史的文脈に照らして読み取り、その内容を的確に表現できること
中間試験40%、期末試験60%
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 毎回プリントを配布する | ||
参考文献 |
授業終了後にプリントとノートを読み直しておくこと
毎回小さな課題を出して答案を書いてもらい、その提出をもって出席を認定する
回 | 授業内容 |
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第1回 | オリエンテーション・歴史学と図像史料 アッシリア帝国の図像 |
第2回 | ペルセポリスの浮彫に見るアケメネス朝ペルシアの王権理念 |
第3回 | パルテノン神殿の政治学(1)メトープとペルシア戦争 |
第4回 | パルテノン神殿の政治学(2)フリーズとパンアテナイア祭 |
第5回 | パルテノン神殿の政治学(3)ジェンダー視点による読解 |
第6回 | アレクサンドロス大王の図像(1)彫像と石棺 |
第7回 | アレクサンドロス大王の図像(2)モザイク |
第8回 | 前半のまとめと中間試験 |
第9回 | 答案の返却とコメント(出来の悪い答案は書き直し) 古代ローマの公共建築(1)フォロ・ロマーノとカエサル |
第10回 | 古代ローマの公共建築(2)アウグストゥスの平和の祭壇 |
第11回 | 古代ローマの公共建築(3)コロッセウムとティトゥス帝の凱旋門 |
第12回 | 古代ローマの公共建築(4)トラヤヌスとハドリアヌスの記念柱・記憶の抹消 |
第13回 | 古代ローマの公共建築(5)コンスタンティヌス帝の凱旋門 |
第14回 | ビザンツ帝国のモザイク |
第15回 | 後半のまとめと期末試験 |