日本地誌Ⅱ
担当者小笠原 永隆教員紹介
単位・開講先選択必修  2単位 [観光経営学科]
科目ナンバリングGGR-206

授業の概要(ねらい)

 地域を理解するためには、その地域がどんな特徴を持っているのか、さらに、その特徴が何故その場所で形成されたのか、ということの追求がが極めて重要です。そこで、日本国内の観光地を中心として、地域の特徴とそれを説明する要因、またそれぞれの地域において自然と文化の関連性について学びます。特にその地域の自然環境及び地形が、歴史や文化とどのような関連性があるのかを地域ごとに探っていきたいと思います。例えば、岐阜県の白川郷はなぜ合掌造りの集落が形成され、それが現代にまで続いた理由は何ででしょうか。東京湾岸には、縄文時代の大型貝塚が世界に類を見ないほど形成されていますが、それはなぜでしょうか。
 本講義では日本各地の世界遺産を題材として、それらの知識と地域を理解するための視点を得ることを目的とします。西日本の地域について深く知ることができれば、新しい視点で旅行を楽しむ事もできます。

授業の到達目標

 本講義の到達目標は主に以下の2点です。
  ・西日本各地の観光地、観光資源、世界遺産などを解釈できる。
  ・それぞれの観光地や世界遺産の特性を自然環境や人文環境、およびその関連性(つながりのあるストーリー)から説明できる。

成績評価の方法および基準

 成績は以下で評価します。
  毎回の到達度確認テスト 40%
  学期末レポート 60%

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書テキストは特に指定しませんが、講義内容に興味を持った場合、以下の書物が参考になるでしょう。
参考文献2017。『旅に出たくなる地図 日本』帝国書院編集部帝国書院
参考文献2013。『はじめて学ぶ世界遺産100』世界遺産検定事務局マイナビ
参考文献2016。『鳥瞰イラストでよみがえる歴史の舞台』歴史群像編集部学研プラス
参考文献2005。『土地の文明 地形とデータで日本の都市の謎を解く』竹内公太郎PHP研究所
参考文献2012。『地図から読む歴史』(講談社学術文庫)足利健亮講談社

準備学修の内容

 講義で毎回使用するプリントは、多くの空欄が設けてあります。各回講義前にLMSに掲示しますので、事前に内容に目を通し低ください。解答はプリント末尾に記してありますが、単にそれを移すのではなく、自分で調べながら埋めておいてください。授業では正解を確認しながら、プリントに沿って進めていきます。また、そのプリントの末尾には例題(論述)を示してありますので、必ず講義終了後に自分の力で記入しておいてください。そして、講義終了後はLMS上の到達度確認テストを受験して下さい。こうした予習と復習を行うことで、講義内容を十分に理解できるように配慮しています。つまり、欠席は言うまでもなく、単に出席しているだけでは、内容理解に到達できず、単位取得につながらないことを留意してください。
 また、本講義では日本の色々な地域や場所を取り扱います。普段から旅行番組を見たり、ネット等で観光地のことを調べたりするなど、様々な疑問を自ら発見するように心掛けると良いでしょう。

その他履修上の注意事項

 本講義は旅行業務取扱管理者資格の国内観光地理の復習や、世界遺産検定の受験にも参考になるように配慮していますが、資格の受験勉強のための講義ではありませんので留意して下さい。
 本講義に加えて観光地理学Ⅰ・観光地理学Ⅱ・日本地誌Ⅱ・外国地誌Ⅰ・外国地誌Ⅱを受講すると、地域の地理学的理解、地誌学的理解をより深められます。

授業内容

授業内容
第1回イントロダクション
西日本の世界遺産と自然環境・地形と歴史のかかわり①(岐阜県白川郷・富山県五箇山の合掌造り集落)
第2回西日本の世界遺産と自然環境・地形と歴史のかかわり②(岐阜県白川郷・富山県五箇山の合掌造り集落)
第3回西日本の世界遺産と自然環境・地形と歴史のかかわり③(和歌山県奈良県三重県・紀伊山地の霊場と参詣道)
第4回西日本の世界遺産と自然環境・地形と歴史のかかわり④(奈良県・古都奈良の文化財)
第5回西日本の世界遺産と自然環境・地形と歴史のかかわり⑤(奈良県・法隆寺地域の仏教建造物群)
第6回西日本の世界遺産と自然環境・地形と歴史のかかわり⑥(京都府・古都京都の文化財)
第7回西日本の世界遺産と自然環境・地形と歴史のかかわり⑦(島根県・石見銀山遺跡とその文化的景観)
第8回西日本の世界遺産と自然環境・地形と歴史のかかわり⑧(島根県・石見銀山遺跡とその文化的景観)
第9回西日本の世界遺産と自然環境・地形と歴史のかかわり⑨(広島県・厳島神社・広島平和記念碑)
第10回西日本の世界遺産と自然環境・地形と歴史のかかわり⑩(福岡県ほか・明治日本の産業革命遺産)
第11回西日本の世界遺産と自然環境・地形と歴史のかかわり⑪(福岡県ほか・明治日本の産業革命遺産)
第12回西日本の世界遺産と自然環境・地形と歴史のかかわり⑫(福岡県・宗像・沖ノ島と関連遺産群)
第13回 西日本の世界遺産と自然環境・地形と歴史のかかわり⑬(長崎県・長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産)
第14回 西日本の世界遺産と自然環境・地形と歴史のかかわり⑭(沖縄県・琉球王国のグスク及び関連遺産群)
第15回 まとめと【期末テスト】
 ※ 講義の進行状況等によって、計画が変更されることがあります。