ホスピタリティ論Ⅰ
担当者山中 左衛子教員紹介
単位・開講先選択必修  2単位 [観光経営学科]
科目ナンバリングMAN-203

授業の概要(ねらい)

 あなたには、お気に入りの店はありますか。その店の何があなたの心を動かすのでしょうか。ホスピタリティ産業においては、ハードウェア(モノ)、ソフトウェア(しくみ)、ヒューマンウェア(ヒト)をバランスよく構築することで顧客満足を高めます。ゲストとスタッフの間に信頼の絆が結ばれ、その絆は、利用すること自体が目的になるほど強いものです。
 「ホスピタリティマネジメント」とは、事業の存在理由-理念をスタッフが共有するしくみ、ゲストに選ばれ続けるマーケティング活動、現場接点のスタッフが優れたサービスを提供するための組織マネジメントが一体となった経営です。
 本講座では、前期は主として、調査機関やマスコミが実施する顧客満足度調査で常に上位にあるシティホテルを対象に、皆さんが国内、海外のゲストを迎える戦略としてのホスピタリティマネジメントに対する理解を深める場とします。
 特にヒューマンウェアを重点を置き、優れたサービスとは何かについて日本とアメリカの具体的なケーススタディを皆さんと共有します。   
 なお、ゲストスピーカーを招くことがあります。
 本講座では、ホテル企業の人材育成責任者としてのホスピタリティマネジメントの知識や実務、日本ホテル協会の研修委員を務めた教員自身の経験を活かして授業を行います。現場、マーケティング、開業準備室、アメリカのホテルでの勤務経験から、日米の現場のケーススタディにも企業研修の手法を取り入れています。
 

授業の到達目標

 (1)ブランド価値向上戦略としてのホスピタリティマネジメントを理解し、ホテルにおいて何が顧客満足につながる
    のか説明できるようになる。
 (2)顧客接点の現場スタッフによるサービスという行動の過程を理解し、説明できるようになる。

成績評価の方法および基準

 中間テストまたはレポート(評価割合25%)と期末テスト(評価割合50%)、リアクションペーパー・小テスト・受講態度(25%)により評価されます。講義への積極的な参加・協力には加点します。他の学生の迷惑になる私語、ゲストスピーカーの講義時のいわゆる「爆睡」は大幅に減点します。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書適宜資料を配付します。
参考文献『新観光立国論』デービッド・アトキンソン東洋経済新報社
参考文献『サービスを制するものはビジネスを制する』山口英彦 東洋経済新報社
参考文献『帝国ホテルの不思議』村松友視文春文庫
参考文献『リッツカールトンが大切にするサービスを超える瞬間』高野 登かんき出版
参考文献『パワーポーズが最高の自分を作る』エイミー・カディ早川書房
参考文献『The Cornell School of Hotel Administration on Hospitality』(英文)  Edited by Michael C. Sturman他John Wiley & Sons, Inc.

準備学修の内容

 原則として各回の終わりに、次回のテーマに関連する課題を出しますので、準備して授業に参加しましょう。

その他履修上の注意事項

 ・講座の内容から、挨拶を受けたら返す、ペーパーは両手で渡す、周囲への気遣いを基本的な姿勢として求めます。
 ・宿泊施設、飲食店、美容室、量販店、コンビニ等で設備やサービス等、心地よいと感じることがあったら、何が良かったのか考える。またあなた自身がよく行く店について、なぜその店を選ぶのか自己分析してみましょう。接客業でアルバイト経験のある人は、その店のマネジャーになったつもりで、お店の目指している姿、何がゲストの心を動かすのか、何がスタッフの心を動かすのか考えてみましょう。

授業内容

授業内容
第1回 オリエンテーション
第2回 ホスピタリティとは何か ホスピタリティとサービス
第3回 おもてなしとは何か おもてなしとサービス
第4回 組織文化ー理念と行動基準
第5回 ゲストの選択
第6回 ゲストの心
第7回 ゲストスピーカーによる講義(予定)
第8回 中間のまとめ
第9回 おもてなしの心と行動
第10回 コミュニケーション① 言葉とボディランゲージ
第11回 コミュニケーション② 苦情の心理と応対
第12回 コミュニケーション③ 異文化コミュニケーション
第13回 組織マネジメント①
第14回 組織マネジメント②
第15回 全体総括と期末テスト