担当者 | 三輪 博樹教員紹介 | |
---|---|---|
単位・開講先 | 選択 2単位 [外国語学科 2016年度以前入学] | |
科目ナンバリング | ARS-206 |
南アジア各国はそれぞれ、宗教や民族などの面で多様かつ複雑な社会を有し、さらに、それぞれの国ごとに有力な宗教や民族が異なっています。その結果、南アジア各国は国内に多くの紛争を抱えており、また、国家間の対立も見られます。本科目では、南アジアにおけるこうした紛争や対立の現状について説明します。
授業では、カシミール地方をめぐるインドとパキスタンの対立、インド北東部地域の動向、インドにおける極左武装集団の活動、スリランカの民族紛争、ネパール、ブータン、ミャンマーにおける民族問題について説明します。その上で、紛争の発生を防ぐための方法や、紛争の解決のための方法(武力による解決か、話し合いによる平和的な解決か)について考えていきたいと思います。
各回(第1回を除く)の授業の終わりに、10分程度の小テストを行います。小テストでは、授業で学んだ知識を確認するだけでなく、授業で学んだ事柄に対して自分なりにどう考えるのか、各自の考え方や意見などをまとめていただきます。この授業を通して、「集団同士の対立による紛争の発生を防ぐためにはどうすれば良いのか」「発生してしまった紛争はどうすれば解決できるのか」といった問いに対して、自分なりの考えを持てるようになっていただきたいと思います。
以下の2つを到達目標とします。(1)南アジア地域における紛争や対立の現状について理解する。(2)そうした紛争や対立の防止策や解決策としては何が有効なのか、現状の分析にもとづいて自分なりの考えを提示できるようになる。
各回の小テストの合計点(40%)と、期末レポートの内容(60%)を合わせて評価します。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
---|---|---|---|
教科書 | 教科書は指定しません。各回の授業ごとに、講義内容をまとめたレジュメや関連資料などを配布します。また、さらに学習を深めたい方に向けて、参考文献を授業の中で紹介します。 | ||
参考文献 |
初回の授業のときに、2回目以降の授業内容の詳細について説明し、各回の「予習・復習のポイント」をまとめた資料を別途お渡しします。各回の授業で使用するレジュメや資料はひとつ前の回の授業のときに配布しますので、初回にお渡しする「予習・復習のポイント」を参考にしながらレジュメや資料を読み、内容を理解するとともに、疑問点などを明らかにしておいてください。
特になし。
回 | 授業内容 |
---|---|
第1回 | イントロダクション:授業の概要と進め方、南アジアにおける紛争や民族問題の概観 |
第2回 | カシミール問題(1):カシミール問題の発端と3回にわたる印パ戦争 |
第3回 | カシミール問題(2):インドにおける中央=州関係との関わり、テロとの戦い |
第4回 | カシミール問題(3):インド、パキスタン、中国3カ国の思惑 |
第5回 | インド北東部地域(1):インド北東部7州の特徴、州設立の経緯 |
第6回 | インド北東部地域(2):アッサム州における「外国人」排斥の動きと分離主義運動 |
第7回 | インド北東部地域(3):ナガランド州における民族問題、マニプル州における武装集団の活動 |
第8回 | インドにおける極左武装集団:マオイスト(ナクサライト)の活動、インド政府の治安対策 |
第9回 | スリランカの民族紛争(1):民族紛争の背景、政治的思惑による民族対立の激化 |
第10回 | スリランカの民族紛争(2):内戦の勃発から終結まで |
第11回 | スリランカの民族紛争(3):内戦終結後の人権問題と外交問題、インドと中国の思惑 |
第12回 | ネパール:南部タライ地域における反政府運動、インドとの関わり |
第13回 | ブータン:国民総幸福量、ネパール系ブータン難民問題 |
第14回 | ミャンマー:少数民族ロヒンギャをめぐる問題、バングラデシュおよびインドの対応 |
第15回 | まとめ:紛争はなぜ、どのようにして起こるのか、紛争の解決のための方法とは |