1 授業は、複数の教員によるチーム・ティーチングの形態で行う。
児童生徒が充実した学級生活を送れる学級経営の理論並びに学級集団づくりについて、理論を習得し、
学級経営の改善・充実を図る実践力の育成を目指す。
2 学級経営や学年経営における教師の役割等を実践と理論を結びつけて考察し、諸問題に関する因果関係や
解決策を検討・考察する学習を進める。
3 学習内容によって、A類学生とB類学生を分けて授業を行う機会を設定する。
教師が各回毎に、テーマに即した話題や課題を提供する。
学生はA類・B類混合の学校種別のグループ編成やA類・B類学生別々のグループ編成にしたりして、
提供された話題についてグループワークで討議を行い、最後に全体で協議する機会を設ける。
4 グループワークにおいてA類学生は実習校の実践等を基に実践的な理解の深化と実践的指導力の習得を目指す。
B類学生はA類学生の理解や実践的指導力の向上のために適切な指導助言やアドバイスを行い、
自らの多様な実践事例の収集とこれまでの経験を対象化し、自己向上に努める。
5 教育と医療との連携が強く求められていることから、具体的な連携の状況を把握するとともに、
将来の適切な連携の在り方を検討する機会を設ける。
A類学生は、学級経営の意義や学年・学校経営との関係性及び様々な集団活動を通した効果的な集団作りの手法について理解することができる。
B類学生は、学年経営・学級経営の目的や内容、方法等や学級経営上の諸問題について理論的に整理し、学年経営・学級経営の実践的な手法を所属校の教員等に助言することができる。さらに、管理職候補者の学生は、学校経営を踏まえた学年・学級経営の在り方について理論的に整理し、理解を深めるとともに、学校経営方針に基づく組織的かつ効果的・安定的な学級経営の実現に向けて、主幹教諭等に指導・助言することができる。
15回の講義・演習を通じての課題(レポート)(40%)、事例分析・プレゼンテーション(30%)、授業づくりへの取組み(発表及び協議への対応)(30%)、を基に評価を行う。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
---|---|---|---|
教科書 | 特定のテキストは使用しない(資料を配付する)。 | ||
参考文献 | 授業の中で適宜紹介する。 |
子どもは学級集団の中で社会性が培われると同時に、自分の個性を伸ばしていく。しかしときに、個が集団の中に埋没してしまったり、個の主張が強すぎて集団としてまとまらなかったりすることもある。
実習校での取り組みをもとに望ましい個と集団の関係について自分なりの考えをまとめておくこと。
自分自身がどのような学級生活を過してきたかを想起し、そこで何を行い、何を学んできたか、小グループでの意見交換等を通じて整理・検討しながら、望ましい学級集団の在り方とその経営の仕方について、自分なりの具体的な方向性を見いだしてほしい。
回 | 授業内容 |
---|---|
第1回 | オリエンテーション(AB合同) 「学級経営」や学級集団の機能(学習集団と生活集団)に触れながら、各テーマについて説明し、学生の授業への姿勢を確かなものとする。 |
第2回 | 学級開きの方法と課題(AB合同) 学級担任として子ども、保護者に自分の学級経営の考え方を伝える最も大切な機会である学級開きについてロールプレイを行いながら考察する。 |
第3回 | 児童・生徒理解をめぐる課題①(AB合同) 学級担任として、指導に困難さを感じた子どもたちに対する見方・関わり方について、実践を基に課題を提供し、討議を深め、実践力を高める。 |
第4回 | 児童・生徒理解をめぐる課題②(AB合同) 学級担任として、教師冥利を感じた子どもたちの例を取り上げ、学級担任としての子ども理解のあり方、学級担任としての在り方を考察する。 |
第5回 | 学習集団としての学級をめぐる課題①(AB合同)⇒ (AB別) 学習集団としての学級の役割について考察を深め、学習を成立させるための規律やルール作りについて協議する。 |
第6回 | 学習集団としての学級をめぐる課題②(AB合同) 学習集団としての学級の役割について考察を深め、学習を成立させるための規律やルール作りについて協議した内容を発表し合い、意見交換を行う。 |
第7回 | 生活集団としての学級をめぐる課題①(AB合同)⇒ (AB別) 生活集団としての学級の役割について考察を深め、学級担任として子どもの集団生活を成立させるためのルール作りの在り方を考察する。 |
第8回 | 生活集団としての学級をめぐる課題②(AB合同) 生活集団としての学級の役割について考察を深め、学級担任として子どもの集団生活を成立させるためのルール作りの在り方を考察した結果を踏まえ意見交換を行う。 |
第9回 | 生活集団としての学級をめぐる課題③(AB別) 学級の文化・風土と子どもの居場所づくりについて、支持的風土を中心にその意義と課題について実践事例を基に検討し、実践的指導力の向上を図る。 |
第10回 | 教師と子どもの人間関係づくりをめぐる課題①(AB別) 受容と欲求を核とした教師と子どもの人間関係の在り方や潜在的な教育の機能について実践事例を基に検討し、教師の役割について実践的指導力の向上を図る。 A類、B類学生でそれぞれグループを作り、課題について協議する。 |
第11回 | 教師と子どもの人間関係づくりをめぐる課題②(AB合同) いじめ、不登校など学級の様々な問題を取り上げ、事例報告と分析を行いながら対応方法について協議し考察する。 |
第12回 | 学級担任の仕事をめぐる課題①(AB合同) 学級の経営方針や学級経営案、学年の共同経営など、学級担任としての仕事と役割について理解し、実践的なマネジメント能力の向上を図る。 |
第13回 | 学級担任の仕事をめぐる課題②(AB合同) 「教育と医療との連携」が学校の中でどのように行われているかを把握するとともに、今後求められる連携の在り方を具体的に検討し、説明できる力を育成する。 |
第14回 | 地域・保護者との関係づくりをめぐる課題(AB合同) 地域・保護者との関係づくりをどう図るか、学級通信、通知票、学級懇親会などを通して情報を発信し、連携をどう深めるかなど、実践的指導力の向上を図る。 |
第15回 | 学習・生活集団の育成と学級経営(AB合同) 本講義のまとめの講義を行うとともに、全体的な協議と個々の今後の学習課題を提示し、全体のまとめとする。 |