担当者 | 佐藤 斉華 | |
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単位・開講先 | 選択 2単位 [社会学科] | |
科目ナンバリング | CUA-104 |
人間は、文化に育まれつつ社会に生き、また社会を変えつつ文化を創造していく生き物である。人のふるまい・思考・感性は、地球上の様々な場所で、歴史上の様々な時代に、きわめて多様なかたちにおいて現象してきた。それは人間の「自然」―それを解剖学的構造、生理的欲求、あるいは遺伝情報等の何であると考えるにせよ― によって既に決まっているものではない。私たちは人間を、その「自然」状態において見ることはないのである。文化人類学とは、社会・文化的存在である人間をその社会・文化的多様性において認識し、「自己」とは異なるかたちで社会・文化的に形成されてきた「他者」の姿を「自己」の鏡としつつ、人間のさらなる可能性を探究する営みである。
人類学のカバーする広汎な問題領域のなかで、この授業では特に「性(ジェンダー/セクシュアリティ)」にかかわる諸問題を切り口として、人間の多様性と可能性を探る。私たち一人一人にとってきわめて身近な(むしろ卑近ですらある)性をめぐる現象だからこそ、これを改めて検討することは、社会・文化のなかで形づくられている自らのありようを根底的に見つめなおす格好の機会ともなるはずである。履修生が授業での討議を通じて日々の経験と実践を振り返り、捉え返し、個人的ないし社会的な今後の展望を形成していくこと期待している。
文化人類学的認識態度の基本を修得する。「性(ジェンダー/セクシュアリティ)」の多様性、社会・文化的構築性について、基礎的知識を修得する。
毎回講義後に課するテスト及び課題の提出(LMSを利用)によって評価する(なお万一LMSのシステム上の不都合によりテスト/課題ができなかった場合は、その翌週の授業の際に必ず申し出て、教員の指示をあおぐこと)。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | |||
参考文献 | 『ジェンダーで学ぶ文化人類学』(2005年) | 田中 雅一・中谷 文美(編) | 世界思想社 |
参考文献 | 『はじめてのジェンダー論』(2017年) | 加藤秀一 | 有斐閣 |
授業でとりあげるテーマと関連する参考書の箇所を、授業の前または後に読む。
授業後に講義の内容を振り返り、授業後テスト/課題に取り組んで提出する。
基本的に講義形式の授業である。授業で提起される問題を自分自身への問いとして受けとめ、傾聴し、考察を深めてほしい。いうまでもなく、私語は厳禁。
回 | 授業内容 |
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第1回 | イントロダクション(1):文化人類学再入門 |
第2回 | イントロダクション(2):「他者」と出会う方法 |
第3回 | イントロダクション(3):「性」を人類学がなぜとりあげるのか |
第4回 | イントロダクション(4):進化主義再考(「同性愛」は遺伝なのか?!) |
第5回 | 暮らしのなかの性(1):装う①(「装い」への人類学的視座) |
第6回 | 暮らしのなかの性(2):装う②(ヴェールを通して「他者」と出会う) |
第7回 | 暮らしのなかの性(3):性の二項対立再考①(世の中、女と男しかいない!?) |
第8回 | 暮らしのなかの性(4):性の二項対立対立再考②(男、じゃなければ女(あるいはその逆)をこえて) |
第9回 | 暮らしのなかの性(5):育てる①(子育てへの人類学的視座) |
第10回 | 暮らしのなかの性(6):育てる②(「子ども」の人類学) |
第11回 | 暮らしのなかの性(7):産む①(出産への人類学的視座) |
第12回 | 暮らしのなかの性(8):産む②(出産の近代、そしてこれから) |
第13回 | 暮らしのなかの性(9):交わる①(「性的行為」への人類学的視座) |
第14回 | 暮らしのなかの性(10):交わる②(「性的行為」の近代、そしてこれから) |
第15回 | 今期のまとめと展望 |