手話コミュニケーション応用Ⅱ
担当者根本 友己
単位・開講先選択  2単位 [自己啓発支援科目]
科目ナンバリングSNE-104

授業の概要(ねらい)

 手話に関しては障害者権利条約の批准の中で、言語として位置付けら、今は社会に広く認知され、テレビ以外でも公的な場など様々な場面で目にすることが増えてきている。手話を学びたい人も多いが、なかなか継続して学べる機会はまだ十分とは言えない。この講義は手話コミュニケーション入門を学習して、手話に興味を持ったものが継続して手話の学習を深められる授業として設計する。
 授業の対象として手話コミュニケーション応用Ⅰを履修し、単位習得したものに対してさらに手話の理解を深め、技能を積み上げられるようする。そのために内容を継続して学習できるように同じテキストを使用し、応用Ⅰで未学習の内容を主に取り上げる。具体的にはこれまでの自己紹介や身近な話題での簡単な会話を土台にして、手話の基本文法を理解し、聴覚障害者、ろう者と日常の会話が円滑にできるようすること。またその延長として聴覚障害者への奉仕としての活動では簡単な通訳ができるような手話力や取り組む姿勢をつけられることを目指している。
 加えて聴覚障害者の社会的、歴史的立場やそれに関連した福祉、文化、教育等の事柄をテレビ番組や映画なども視聴して聴覚障害者の現状を深く理解し、共生社会に参加する姿勢を得られるようにしていく。

授業の到達目標

 ①手話の文法を踏まえた手話表現を身に付け、聴覚障害者と多彩で円滑な会話ができるようになる。
 ②手話単語の語彙を増やし、手話検定でいえば3級レベルの千語程度の単語を使いこなせるようになる。
 ③聴覚障害者の社会的、歴史的立場や現在の法制制度を踏まえた聴覚障害者理解ができることで、共生社会に積極的に参加する姿勢が身に付く。
 ④聴覚障害学生への支援に積極的に参加しようとする態度が身に付く。

成績評価の方法および基準

 学習内容の評価配分は手話技能80%、障害理解20%とする。評価する内容、方法としては講義の中での発表内容を20%とし、また、単元のまとまりごとに実施するミニテストで20%、期末テスト60%の割合で評価をする。
 出席が10回未満の者は単位認定を受けられない。やむを得ない事情以外が遅刻早退を認めない(出席に数えない)。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書 「手話を学ぼう 手話で話そう」手話コミュニケーション応用Ⅰで使用したものの後半部分を使用する。 (全国手話研修センター)全日本ろうあ連盟出版局
教科書
参考文献私たちの手話学習辞典全日本ろうあ連盟全日本ろうあ連盟出版局

準備学修の内容

 ①毎時の内容をテキスト、付属のDVDで視聴しておくこと。
 ②授業で習った手話表現をテキスト付属のDVDを活用してしっかりと再現できるようにすること。
 ③テレビの手話ニュース(NHK手話ニュース845)、手話の学習番組(NHKみんなの手話)、聴覚障害関連の番組(NHKろうを生きる難聴を生きる)を積極的に視聴すること。
 ④聴覚障害学生と交流の機会を持ち、ノートテイク等の支援に積極的に関わろうとすること。

その他履修上の注意事項

 この授業は手話コミュニケーション入門Ⅰ、Ⅱ、および手話コミュニケーション応用Ⅰを履修し、単位を取得したものを対象にしている。復習もするが基本的に今までの内容が十分身に付いていることが前提である。テキストは応用Ⅰで使用しているので事前に復習をして臨んでほしい。
 (全体)第3回授業から第12回の計10回にわたり、講義の最後の20分程度の枠をおいて、手話単語のドリルと聴覚障害、手話の関連知識を以下の3項目を中心に講義する。
(1)聴覚障害者と障害者権利条約、差別解消法と合理的配慮 (2)聴覚障害教育と、社会的な取り組み (3)映画等でみられる手話表現と聴覚障害者への対応
  手話は他の語学と同じように実際に使うことで身に付く。聴覚障害者、特に本学の聴覚障害学生との交流、支援を通して日常で使う機会を持ってほしい。

授業内容

授業内容
第1回 オリエンテーション(学習の進め方、個々人の手話表現力の評価)
第2回 話し合いⅠ(表情強弱速度、具体的表現<様子・形>) 19、20講座の復習
第3回 話し合いⅠ(具体的表現<動き>、まとめ) 21、22講座他
第4回 ミニテスト 主語を分かりやすく ①位置・方向(一対一で) 23講座 
      主語を分かりやすく ②位置・方向(第三者を含む)24講座
第5回 主語を分かりやすく ③役割の切り替え 25講座
第6回 主語を分かりやすく ④指さし 26講座
第7回 主語を分かりやすくのまとめと総合演習 27講座他、ミニテスト
第8回 空間をうまく使う(①前後左右) 28講座、
第9回 空間をうまく使う(②指さしと視線の活用) 29講座
第10回 両手や指をうまく使う(①同時性) 30講座
第11回 両手や指をうまく使う(②指の代理的表現) 31講座  繰り返しの表現 32講座 
第12回 意味に合った手話 33講座
第13回 空間の活用、同時性、指の代理的表現、繰り返しの表現と意味に合った手話のまとめ(ミニテストを含む)34講座
第14回 基本文法のまとめと活用 35、36講座ろう者の手話スピーチを読み取る。37講座から40講座までの内容を説明し、自学自習を示す。
第15回 最終試験とまとめ