中国文化講読Ⅱ
担当者原田 二郎
単位・開講先選択  2単位 [日本文化学科]
科目ナンバリングCHL-202

授業の概要(ねらい)

 後期も同様に中国小説講読。
 後期はとくに「義侠」をテーマとした作品を取り上げていく。
 「義侠」というのは「男気」といったことで、古来中国人がきわめて重視するものである。
 困っている人を見殺しにしない、恩義にはけっして背かない、大義のために自己犠牲もいとわない、等等…
 そういう人間を中国では「好漢」と呼んで敬い、また自らもそう称されることを名誉としてきた。
 中国人の尊敬すべき面がもっとも現れるのが、こういう時であろうと思う。じっくり鑑賞してもらいたい。

授業の到達目標

 ・中国小説の特長を理解し、味わう。
 ・中国の義侠精神の特色を考察する。

成績評価の方法および基準

 学期末試験。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書プリントして配布する。
参考文献

準備学修の内容

 前回の内容(あらすじだけでなく、そこから分かる中国小説世界の特色など)をよく反芻しておく。
 下記「各回の授業内容」に即して原田が提示するキーワードについて、その歴史的背景や問題性をあらかじめ調べておく。

その他履修上の注意事項

 受け身的な姿勢でなく、積極的な学習態度を期待する。

授業内容

授業内容
第1回 導入~「義侠」とは 『捜神記』の「葛祚」を入口に
第2回 『閲微草堂筆記」から(以下、特に断らなければ同書)「斉大」「布商」
第3回 「献県の史某」~「義侠」とは何か・元ヤクザの場合
第4回 「陳四の母」~「義侠」とは何か・老婆(最弱者)の場合
第5回 司馬遷『史記』刺客列伝 ~義侠の源流
第6回 「縊死した嫁」~人間の尊厳 「鬼求代」ということ
第7回 『耳食録』から「南野社令」(1) 身代わりを求めない幽霊
第8回 『耳食録』から「南野社令」(2) 幽霊と若い漁師の友情
第9回 「杜奎」~凍えた女幽霊を抱く男
第10回 「僧の幽霊」~深く悔いる霊
第11回 『子不語』から「関帝断獄」~関帝神の粋なはからい
第12回 『西遊記』の中の義侠、「武侠小説」というもの
第13回 憑依ということ~「悪い幽霊が詐欺を働こうとして未遂に終わる」「幽霊のために仲人をする」
第14回 夫婦の愛情~「老婆と少年」「幽霊が幽霊を駆逐する」+「結草」(春秋左氏伝)
第15回 孝子の奇跡~「息子の幽霊と会う」「孝子と盗賊」