憲法特殊研究
担当者金澤  誠教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [法学研究科 法律学専攻]
科目ナンバリング

授業の概要(ねらい)

 この演習は、憲法学の応用的な論点を取り上げて、憲法の理解をより深めることを目標とします。基本的な方法としては、判例研究(と文献購読)を予定しています。最初のうちは、教科書に載っている古典的な事例から考察しますが、しだいに最近の重要判例も考察の対象とする予定です。判例評釈が(あまり)出ていない事例を自分で読み解くことも重要な能力になります。どの分野に論文が少ないかを探すのも一つの仕事です。
 演習では、興味があるテーマについて、受講生が判例集に直接あたって実際の判例(下級審を含む。)を読むこと、さらには、関連する多様な学説を調べることなど(ディスカッション)が主な課題となります。そうした作業を通して、論文を書くことの意味を教員とともに考えます。課題は、自分で見つけてきて、自ら一人で研究する。孤独な作業です。教員はちょっとしたサポートしかできません。ゼミの時間を、より有意義に使ってください。

授業の到達目標

①憲法の分野におけるより高度な知識を習得し、博士論文等の作成にそれを生かすことができる。
②憲法にかんする判例や論文を「正確に」理解したうえで、それらに対するコメントを「適切に」付けることができる。他の受講生からの批判に適切に対応することができる。およそ「考えられる」批判にも適切に対応することができる。

成績評価の方法および基準

出席状況による授業貢献(50%)はもちろんのことですが、報告やプレゼンテーション、(とりわけ報告時以外の)発言状況などを踏まえて判定します(50%)。大学院では、自ら研究する姿勢が求められます。お客さん意識で、教えてもらおうなどとは考えないことです。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書テキストは、初回に決めます。
参考文献

準備学修の内容

報告者は、割り当てられた判例ないし文献を毎回要約したうえで論点を提示しながら、自己の見解をレジュメにまとめ口頭にて発表することになります。発表をする際には判例だけでなく論文を図書館などで探すことが重要です。

その他履修上の注意事項

受講生による報告が基本です。報告者が責任を持って報告することが重要です。

授業内容

授業内容
第1回初回で読む判例や論文を決める予定
第2回事例研究報告
第3回判例を調べる
第4回判例を読む
第5回判例を比較する(比較法を含む)
第6回判例を批判する
第7回判例の射程を考える
第8回判例を書いた人の気持ちになる(外部講師の話を聞く)
第9回上告理由を知る
第10回調査官解説を読む
第11回判例評釈を読む
第12回判例を予想する
第13回判例を回顧する
第14回判例を使いこなす
第15回むすびにかえて(前期)
第16回初回で読む判例や論文を決め、その担当を決める予定
後期に関しては、受講生の博士論文のテーマにできるだけ合わせた演習をおこなう予定
第17回論文研究報告
第18回文献を調べる(文献の探し方を知る)
第19回文献を知る(先行研究を整理する)
第20回文献を読む(比較法を含む)
第21回文献を比較する(分類する)
第22回文献を批判する(外部講師の話を聞く)
第23回文献を論文に活かす
第24回論文の書き方を知る、書いてみる
第25回論文を育てる
第26回論文を批判される(他者の意見を聞く、反論する)
第27回論文にコメントを付ける
第28回論文の意義を知る
第29回論文を長く書いてみる
第30回むすびにかえて