心理学研究法概論
担当者近藤 清美教員紹介
単位・開講先必修  2単位 [心理学科 2018年度以降]
科目ナンバリングPSY-102

授業の概要(ねらい)

 心という目に見えないものをどのように研究することができるのか,本講義ではその概略を示す。
 心理学の研究方法は多様であり,研究内容や対象によって方法には大きな違いがある。しかも,人が人を研究することでのいくつもの困難が生じる。本講義では,心理学的研究法を「実験的研究」と「観察的研究」に分けて論じ,研究上の倫理的問題や研究の実施について具体的なイメージが持てるように解説する。
 各分野の研究方法の実際や様々な心理学的研究法については,2年次の心理学研究法Ⅰ~Ⅳにおいて学ぶため,本講義はその基礎をなすものである。

授業の到達目標

 ①心理学的研究における倫理的配慮や研究倫理について説明できる。
 ②心理学におけるいくつかの研究方法について解説できる。
 ③心理学的研究の具体的な流れと留意点について理解する。
 ④心理学的な研究をしたいという意欲を持ち,2年次以降の演習に備える。

成績評価の方法および基準

学期末の試験(持ち込み不可)50 %,授業中に課題として出されるレポート40%,その時々のリアクションペーパー10%

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書『心理学研究法:心を見つめる科学のまなざし 補訂版』(2017)高野陽太郎・岡隆(編)有斐閣
参考文献心理学研究法三浦麻子・小島康生・平井啓編著ミネルヴァ書房
参考文献『なるほど!心理学研究法』(2017)三浦麻子(監修・著)北大路書房
参考文献『いまさら聞けない疑問に答える 心理学研究法のキホン』ニール・J・サルキンド(著)畑中美穂(訳)新曜社

準備学修の内容

 教科書を読んであらかじめ予習しておいてください。教科書を読んできていることを前提に授業を進めます。
心理学に関する研究論文を調べて読んだり,実際に心理学研究に参加して体験してください。
自分自身で心理学についてのリサーチクエスチョンをもち,解決法を探してください。

その他履修上の注意事項

・期末テストは客観的テストです。配布資料とノートをきちんと復習し,基礎的な専門用語や事項を覚えてください。
・レポート課題として,心理学研究体験の感想文と研究計画書を作成することを課します。レポートの提出がない場合,単位を出すことができません。
・課題レポートが複数回ありますが,遅れても受け取りますので,最終試験までにはすべてを提出してください。
・授業中の私語や迷惑行為に対してはペナルティを科すので注意してください。
・心理学研究を実際に体験するために調査や実験に参加する機会を設けます。実際に研究に協力するかどうかは自由意思に委ねられます。ただし,参加することでの学修上の特典があります。

※ 2018年度以降の入学生には、公認心理師受験資格に必要な科目です。
 2017年度以前の入学生は、心理学科のホームページを参照してください。

授業内容

授業内容
第1回科学とは,科学的とは(1章)
第2回リサーチクエスチョンの見つけ方(14章)
第3回文献検索と科学論文
第4回実験的研究と観察的研究
第5回様々な研究法:実験と調査法(7章,10章)
第6回様々な研究法:検査と観察法,面接法(11章,12章,13章)
第7回人を研究することに伴う問題(9章)
第8回研究者の態度と研究者倫理(9章)
第9回心理学的研究と統計の力(16章)
第10回実験的研究(1):独立変数と従属変数(4章,5章)
第11回実験的研究(2):剰余変数の統制(6章)
第12回質的研究法,臨床的研究(13章)
第13回実践研究,アクションリサーチ
第14回研究報告,研究結果の解釈(15章,17章)
第15回まとめと試験