授業づくりと指導法研究Ⅰ(人文系)
担当者魚山 秀介教員紹介, 小山 惠美子教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [教職研究科]
科目ナンバリング

授業の概要(ねらい)

 授業は、複数の教員によるティーム・ティーチングの形態で行う。
 「授業づくりと教材研究Ⅰ」を基礎に、人文系教科(国語・社会)の指導方法(教師の教授行為と学習活動)の研究と開発、指導計画・学習指導案の作成などを行う。指導法の引き出しを広げられるように具体的な事例の紹介や授業の検討を行いながら、指導法を獲得していけるようにする。
 作成した指導計画・学習指導案をもとに、可能な範囲で実習校での授業実践を模擬授業として行い、グループ・ワークや討論などを通して作成した指導計画・学習指導案の評価を行い、授業開発と指導法を見直す。

授業の到達目標

 国語科・社会科における授業作りを行う際のさまざまな指導法の工夫を理解し、獲得する。
 <A類学生>
  ・児童生徒の状況及び各教科(おもに人文系の教科)等の特性に応じた多様な指導方法、指導技術等について理解と習得を図り、授業実践を行うことができる。
  ・児童生徒の学習状況を適切に把握し、指導にいかす方法についての理解と習得を図り、授業において適切に評価したり、評価結果をいかしたりすることができる。また、15回の学修内容を指導法研究ノートにまとめることができる。
 <B類学生>
  ・教育的効果という側面から、自己の指導方法や指導技術について、理論的・体系的に分析・整理するとともに、他者の授業について分析したり、助言したり、児童生徒の状況に即した新たな指導方法について提案を行ったりすることができる。
  ・学習の評価の意義や方法について、これまでの実践をもとに理論的に整理し、効果的な評価の進め方を習得するとともに、学校における学習評価の課題に対する改善策を提案することができる。

成績評価の方法および基準

 授業内の課題の達成状況や参加の状況(指導法研究ノートの作成) 50%/新聞づくりの活動 30%/自己評価、個人内評価 20% など

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書
参考文献よくわかる授業論田中耕治編ミネルヴァ書房 2007年
参考文献よくわかる教育評価田中耕治編ミネルヴァ書房 2010年
参考文献総合学習・生活科・社会科 活動研究ハンドブック次山信男・大澤克美編著教育出版 1998年
参考文献図解 すぐ身につく・学力が高まる 小学校国語学習スキル101の方法府川源一郎編教育出版 2005年
  など

準備学修の内容

 (予習)
  ・学習指導案の作成と教材研究、指導法研究
 (復習)
  ・指導法研究ノートの作成
  ・実習校における授業実践や人文系授業に焦点を当てた授業参観
  ・修正指導案、授業改善プランの作成
  ・フィールドワークをもとにした新聞の作成 など

その他履修上の注意事項

 ・実習による欠席については、当日の「実習日誌」などを代替えとして提出する。
 ・授業力の向上を図る授業であり、実習校の授業の事前準備、事後学習に役立てる。
 ・選択の科目であるが、授業力向上のための授業であり、自身の授業力を高めたいものは進んで受講してほしい。
 ・「教育実践課題研究」と連動させ、事前授業を行ったり、事後の省察や成果と課題に関して検討したりすることも可能な内容である。
 ※受講生の数や実態に応じてシラバスの内容や順番を変えることがある。

授業内容

授業内容
第1回 指導法研究に関するオリエンテーション
 ・各自の課題を明確にし、今後の本講座における学びの計画を立てる。
第2回 人文系教科(主に国語、社会等)における指導法とその工夫
 ・授業づくりの基礎となる様々な学習活動とその工夫について学ぶ。
第3回 人文系教科における「言語活動の充実」とその工夫
 ・「教科における言語活動」とその工夫について具体的に検討する。
第4回 授業観察とその検討(国語)
 ・DVDや実習校での授業を実際に見ることを通して、指導法の工夫について検討する。
 ・A類学生は、各自実習校での授業実践の計画を立て、具体的な指導計画の作成を行う。
 ・B類学生は、具体的な授業場面を想定し、指導法に関する助言や支援を行う。
第5回 授業観察とその検討(社会)
 ・DVDや実習校での授業を実際に見ることを通して、指導法の工夫についいて検討する。
 ・A類学生は、各自実習校での授業実践の計画を立て、具体的な指導計画の作成を行う。
 ・B類学生は、具体的な授業場面を想定し、指導法に関する助言や支援を行う。
第6回 授業方法の工夫をとり入れた学習計画
 ・A類学生は、自身の指導法の課題に焦点を当て、授業計画を作成する。
 ・B類学生は、具体的な授業場面を想定し、指導法に関する助言や支援を行う。
 ※以後、国語と社会、または小学校グループと中学校グループとに分けて授業を行うこともある。
第7回 学習指導案の検討(模擬授業など)
 ・A類学生は、自身の指導法の課題に焦点を当てて、授業計画を作成し、実践または提案する。
 ・B類学生は、指導方法や指導技術の面から、児童生徒の状況を踏まえた具体例をもとに、良い点を価値づけ、改善点を助言する。
 (学生の人数等により、演習の計画には若干の変更もありうる。)
第8回 効果的な指導方法の実際
 ・前回までの取り組みをもとに、効果的な指導法を整理する。
 (ノート指導、板書の方法、発問と指示、説明など)
第9回 人文系教科における教育機器の活用
 ・使用する教材・教具、教育機器の種類やそれらの特性、活用場面・方法等を分類・整理し、実習を通じて習得を図る。
第10回 授業参観の実施(小・中学校)
 ・国語科、社会科の授業参観を行い、学びの交流を行う。
第11回 学習指導における評価の在り方と、効果的な評価方法
 ・A類学生:学習指導における評価の在り方や、効果的な方法について理解し、他者に説明する。
 ・B類学生:学習指導における評価の課題について、理論と実践を結び付けて整理し、他者に説明する。
第12回 NIE教育と新聞づくり
 ・学習活動としての新聞の活かし方を理解するとともに、新聞づくりの手法について学ぶ。
第13回 指導法研究をもとにした授業改善案
 ・A類学生:これまでの授業を通して、自己の課題を明確にし、授業計画を改善する。
 ・B類学生:A類学生の授業改善案をもとに、開発した指導方法や指導技術の価値づけを行う。
第14回 社会科見学の実際(フィールドワーク)
 実際に社会科見学を行い、見学の内容を新聞にしてまとめる。
第15回 人文系教科における指導方法の意義と効果(各自の成果と課題)
 ・これまでに学んだことをもとに、授業づくりにおける指導法の意義と子どもの学びについて検討する。