企業活動と人材開発
担当者居郷 至伸教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [教育文化学科]
科目ナンバリングCAE-302

授業の概要(ねらい)

 この授業では、日本的雇用慣行(新規学卒一括採用、期限に定めのない長期安定雇用、年功型賃金制度)に変化が見られるなかで、企業における人材開発にはどのような特徴を見出すことができるのか、課題となっている事柄を含めて把握をしていく。
 企業活動と人材開発の実際をより深く理解していくために、人材開発の具体例の紹介、国内のみならず海外の企業活動との比較検討、就業形態の違いを踏まえた人材開発の動向といったトピックを織り交ぜながら論考する。また、いわゆる正社員だけでなく、パートタイマーやアルバイト、派遣社員や請負契約、さらには企業には直接雇われない働き方など、多様化する就業形態における人材開発は、いかなる様相を見せているのか、生じている課題にも言及しながら論考していく。
 このような具体的な観点を踏まえて、この授業では企業活動と人材開発に求められる事柄について、未来展望も交えながら受講生自らが考える機会も提供する予定である。受講生の主体的な取り組みを通じて、将来の働き方や教育と職業の結びつきについて考え、検討していく契機ともなるだろう。

授業の到達目標

・企業活動における人材開発の特徴を、その多様性や開発が要請される社会的背景を踏まえ理解できるようになる。
・「ディーセントワーク」や「ダイバーシティ・マネジメント」といった概念の理解を踏まえて人材育成の要点を把握することができる。

成績評価の方法および基準

 平常点(授業内容に関するコメントシートの内容・提出状況)40% 期末テスト60%

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書
参考文献『産業・労働社会学:「働くこと」を社会学する』 小川慎一・山田信行・金野美奈子・山下充(2015)有斐閣.
参考文献『日本社会のしくみ 雇用・教育・福祉の歴史社会学』 小熊英二(2019)講談社現代新書.
参考文献 その他の文献や資料は授業中に適宜提示する。

準備学修の内容

 授業中に適宜指示する授業内容に関連したテーマに言及している新聞・雑誌記事等に予め目を通し、その内容の理解、論点となる箇所を把握しておくこと。

その他履修上の注意事項

授業内容

授業内容
第1回イントロダクション
第2回雇用システムにおける人材開発の特徴
第3回雇用システムと人材開発――日本的特徴と変化の諸相
第4回雇用システムの変容が人材開発に及ぼす影響
第5回企業における人材開発の具体例紹介――海外展開を図る企業に注目して
第6回企業における人材開発の具体例紹介――グローバル化に伴う諸課題を踏まえて
第7回企業における人材開発の光と影
第8回人材開発の現状と課題
第9回多様化する就業形態を踏まえた人材開発の現状と課題
第10回人材の開発をめぐる現状と課題―ダイバーシティ・マネジメントを考える―
第11回人材開発の将来像を探求する―実際に着手している活動を踏まえて―
第12回企業活動の探求――人材開発の望ましいあり方とは
第13回多様な企業活動と「働く」―仕事と生活の「バランス」とは?―
第14回人材育成・能力開発に求められる視点とは
第15回授業総括