刑法各論Ⅱ
担当者久保田 隆教員紹介
単位・開講先選択必修  2単位 [法律学科 2018年度以降]
科目ナンバリングCRL-202

授業の概要(ねらい)

 本講義では、殺人罪や窃盗罪、放火罪といった個別の犯罪類型の成立要件や、それらの犯罪の相互関係について学びます。秋期の「刑法各論Ⅱ」では、主に、個人的法益に対する罪のうち、財産犯、および社会的法益に対する罪を扱います。

授業の到達目標

①刑法各論の全体像を把握し、各犯罪を正確に位置づけることができる。
②各犯罪の成立要件と典型事例を学び、問題となる行為が何罪に当たるのかを理由とともに説明できる。
③各犯罪の区別に関する判例・学説を学び、一見した限りでは何罪に当たるのかがわからない限界事例を適切に処理できる。

成績評価の方法および基準

 学期末レポート(70%)および授業への貢献度(30%)によって評価します。授業への貢献度については、毎回の授業後にLMS上で提出する課題(リアクションペーパー)などをもとに判断します。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書『入門刑法学・各論〔第2版〕』井田良有斐閣
教科書『刑法各論判例50!』十河太朗=豊田兼彦=松尾誠紀=森永真綱有斐閣
参考文献『刑法各論〔第3版〕【新・論点講義シリーズ2】』井田良=佐藤拓磨弘文堂
参考文献『よくわかる刑法〔第3版〕』井田良=佐藤拓磨〔編著〕ミネルヴァ書房
参考文献『講義刑法学・各論』井田良有斐閣
参考文献『刑法各論〔第7版〕』西田典之=橋爪隆〔補訂〕弘文堂
参考文献『刑法判例百選Ⅱ〔第7版〕』山口厚=佐伯仁志〔編〕有斐閣
参考文献『判例プラクティス刑法Ⅱ 各論』成瀬幸典=安田拓人=島田聡一郎〔編〕信山社

準備学修の内容

 毎回授業の最後に翌週の授業の内容を予告しますので、上記教科書(『入門刑法学・各論〔第2版〕』)の該当箇所を読んで予習してきてください。そして、授業後に、わからなかった点やもっと深く知りたいと思った点について、上記参考文献を使って復習するようにしてください。また、授業中に登場した重要な判例については、上記教科書(『刑法各論判例50!』)・参考文献の該当箇所に目を通すと、より理解を深めることができます。

その他履修上の注意事項

・「刑法総論I・Ⅱ」をすでに履修済み、または並行して履修していることが望ましいです。
・授業では、毎回レジュメを配布します。
・六法を毎回必ず(!)持参してください(小型のもので構いません)。
・質問や相談は、毎回の授業後にLMS上で提出する課題(リアクションペーパー)にて受け付けます。

授業内容

授業内容
第1回イントロダクション 春期の復習|秋期に扱う内容の概説
第2回財産に対する罪① 財産犯総説(財産犯の体系的分類)
第3回財産に対する罪② 窃盗罪|不動産侵奪罪
第4回財産に対する罪③ 強盗罪(1)
第5回財産に対する罪④ 強盗罪(2)
第6回財産に対する罪⑤ 詐欺罪・恐喝罪(1)
第7回財産に対する罪⑥ 詐欺罪・恐喝罪(2)
第8回財産に対する罪⑦ 横領罪・背任罪(1)
第9回財産に対する罪⑧ 横領罪・背任罪(2)
第10回財産に対する罪⑨ 盗品等に関する罪|毀棄・隠匿の罪
第11回財産に対する罪⑩ 財産に対する罪の総括
第12回社会的法益に対する罪① 概観|公共の安全に対する罪(放火罪|往来妨害罪)
第13回社会的法益に対する罪② 公共の信用に対する罪(偽造の罪)
第14回社会的法益に対する罪③ 風俗に対する罪(わいせつの罪|賭博罪)
第15回秋期のまとめ