担当者 | 河西 学 | |
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単位・開講先 | 選択 2単位 [史学科] | |
科目ナンバリング | CAS-207 |
歴史資料・考古資料および古美術品は、どんな材料・技術で作られたのか?産地や時代は?そもそもそれはいったい何なのか?そんな疑問に答えようというのが文化財の科学です。すっきりした答えがいつも得られるとは限りませんが、歴史学や考古学あるいは文化財・博物館の世界では新しい研究法としていまや欠かせない分野となっています。授業では、文化財科学のさまざまな研究手法を取り上げ、基礎的な原理と先人たちの業績、最新の研究成果や課題をスライドや実物を用いてわかりやすく紹介します。
また、科学的な手段は文化財を保存し、長く後世に伝えてゆくためにも利用されていますが、文化財の概念の広がりや大規模災害への対応など解決しなければならない問題もたくさんあります。授業では文化財の今日的な課題を取り上げて考えてみます。
歴史資料、考古資料、博物館資料などの研究に用いられているさまざまな科学的方法について理解するとともに、そのような方法によって得られたデータを適切に評価し利用できる基礎を習得できる。
また、将来自分の手で理化学的な分析や保存を実施してみたいと考えている学生は、基礎的知識が習得できる。
第8回および第15回の授業内で実施する小テストの成績(80%)と提出物の内容(20%)で評価します。第8回授業内小テストの内容は第2回~第8回の授業範囲から、第15回授業内小テストの内容は第9回~第15回の授業範囲から提出します。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | テキストとして教場にてプリントを配布します。 | ||
教科書 | 他の参考文献については授業でリストを配布します | ||
参考文献 | 『考古学の挑戦-地中に問いかける歴史学』 | 岩波ジュニア新書 | |
参考文献 | 『移動と流通の縄文社会史』 | 雄山閣 | |
参考文献 | 『文化財のための保存科学入門』 | 角川書店 |
文化財の研究は文系・理系が協力してこそ成果をあげられる分野です。理系の用語が出てきてとまどうことがあるかもしれませんが、次の授業までにネットなどを使って検索してみることが理解の大きな助けになります。分からないままにしないことが何より大切です。
「文化財の科学と保存Ⅱ」の受講が望ましい。
文化財の実物に触れるもっとも身近な場は博物館・美術館です。機会を見つけて足を運び、なるべく多くの資料を観察し、問題意識-何が知りたいのか、どんなストーリーが仮定されるかなど-を育ててください。問題意識から解決策が生まれてきます。
回 | 授業内容 |
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第1回 | ガイダンス。文化財の分類について学ぶ。 |
第2回 | 文化財と火山・火山噴出物との関係、および火山噴出物の研究方法について学ぶ。 |
第3回 | 石器1 石器石材の分類について学ぶ。 |
第4回 | 石器2 黒曜石の分布や産地推定方法について学ぶ。 |
第5回 | 石器3 ヒスイ・琥珀の特徴、分布および産地推定方法について学ぶ。 |
第6回 | 土器1 土器を構成する物質の分類と産地推定方法について学ぶ。 |
第7回 | 土器2 土器の製作技術の研究方法について学ぶ。 |
第8回 | 土器3 土器作りにおける原料の混和について学ぶ。小テスト。 |
第9回 | 漆の特徴と分析方法について学ぶ。 |
第10回 | 金属器の特徴と分析方法について学ぶ。 |
第11回 | 文化財に関連した古環境の研究方法について学ぶ。 |
第12回 | 人は何を食べていたかの解明する分析方法について学ぶ。 |
第13回 | 文化財の年代測定方法について学ぶ。 |
第14回 | 人類の遺伝情報の研究についての基礎を学ぶ。 |
第15回 | 文化財と災害について学ぶ。小テスト。 |