観光リスクマネジメントⅡ
担当者
単位・開講先選択  2単位 [観光経営学科]
科目ナンバリングMAN-218

授業の概要(ねらい)

 我々は数多くのリスクに晒されながら生活をしています。21世紀に入ると、世界中で多発する天災(地震・水害など)やテロ事件、更に企業自身における経営上のトラブル(粉飾決算、企業倒産、通貨危機、リコール、公害、情報漏えい等)が社会問題となり、企業の存続を含め、企業に大きな影響を与えています。どのようなリスクが存在し、それが日々の生活あるいは日々の事業活動にどのような影響を与えるかをできるだけ正確に把握して、その対処の方法を考えておかないと場合によっては破たんの憂き目に遭いかねません。授業ではリスクとは何かに始って、その分類、それぞれの特質、リスクの把握方法、リスクの評価等を学んだ後、最近その重要性が広く強調されているリスクマネジメントがどのような方法で、どのようにリスクを処理するか、企業(会社)が果たすべき社会的責任、企業の取り組み等の知識・危機管理を学びます。

授業の到達目標

 ①組織のリスクマネジメント体制として、ISO31000の概要を簡潔に説明できる。
 ②企業のリスクマネジメントの仕組みが説明でき、リスクマネジメント実践手法の基本的な事項を修得する。
 ③実際の観光危機発生時の企業の対応から危機管理の仕組みを修得する。

成績評価の方法および基準

 中間試験(30%)、口頭試問・リアクションペーパー(30%)、期末試験(30%)、授業参加態度(10%)の配分によって総合的に評価する。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書『図解入門ビジネス最新リスクマネジメントがよ~くわかる本第2版』東京海上日動リスクコンサルティング著秀和システム
参考文献①『リスクの認識力を高めるリスクマネジメント基礎講座』リスクマネジメント協会著リスクマネジメント協会
参考文献②『リスクマネジメントのプロセスと実務』有限責任監査法人トーマツ著レクシスネクシス・ジャパン
参考文献③『定本 危機管理 -我が経験とノウハウ-』佐々淳行著ぎょうせい

準備学修の内容

 各回授業の最後に次回扱うテーマを示すと同時に、テキストの関係個所および重要な用語・概念を指摘します。テキストの当該個所を熟読し、よく復習して試験の説明問題に備えること。

その他履修上の注意事項

 前期の観光リスクマネジメントⅠ・産業企業研究Ⅰに継続して履修が望ましい。持ち込み可で試験をします。必ずテキストを購入して下さい。授業前に着席位置を指定するので、その指示に従うこと。出席管理を厳格にします。入室時と退出時の2度、学生証をカードリーダーにタッチをすること。学生証を忘れた場合は必ず申告すること。中間試験未受験・期末試験未受験・欠席数が授業回数の1/3を超えた学生は成績評価の対象外です。出席管理システムの遅刻・早退を含めた出席率が50%未満の学生は授業参加態度10%を0ポイントとして成績評価します。遅刻・早退とリアクションペーパー等提出物の期限遅れは成績評価で減点します。

授業内容

授業内容
第1回 イントロダクション。授業の進め方、学修の仕方、評価の詳細等及びリスクとは言葉の定義
第2回 リスクマネジメントシステムの概要、企業のリスクマネジメントの理想、究極の目的
第3回 リスクマネジメント方針、企業を取り巻くリスクの発見
第4回 リスクの種類、リスクの分類、主なリスクの説明、洗い出し
第5回 リスクの算定、リスクマップ
第6回 リスクの評価、優先して取り組むべきリスク
第7回 リスクの対策(回避、低減、移転、保有)、対策の実施
第8回 パフォーマンスおよび有効性評価、是正改善と中間試験
第9回 最高経営者によるレビュー、教育訓練、監査
第10回 日常のリスクマネジメントの仕組みの振り返り、事例1 航空機事故(テネリフェの悲劇) 
第11回 リスク対応の事例、火災対応、情報セキュリティ対応、事例2 食中毒事件、SARS流行 
第12回 危機管理、危機の特徴、対策本部、事例3 東日本大震災の教訓 
第13回 危機管理、リスクコミュニケーション、机上訓練、事例4チェルノブイリ原発事故
第14回 事業継続計画(BCP)
第15回 コーポレートガバナンスと期末試験
※授業の計画はあくまでも当初の予定であり、新型コロナ(COVID-19)感染状況・講師の都合・授業進捗によっては変更されることがある。