観光交通論Ⅱ
担当者
単位・開講先選択必修  2単位 [観光経営学科]
科目ナンバリングMAN-210

授業の概要(ねらい)

 鉄道事業者の観光に向けた取り込みを検討し、現状と今後の課題について研究します。また海外のTGV、ICEなど高速鉄道などについても紹介します。本講義では後半から日本経済の活性化を目指して、実際に地方の赤字会社再生策を考えます。レポートテーマは自分の出身地道県の地方鉄道・バス会社の赤字を減らす増収策(観光振興など)を提言する。東京都・大阪府等大都市圏出身の人は東北など地方の赤字会社を選んでください。演習が主となります。

授業の到達目標

 ①鉄道事業者の事例を検討し、観光という視点から逆境にある地方鉄道の再生・活性化策を提案できる。
 ②学生が20年後、赤字鉄道会社の社長・鉄道本部長・観光部長になったと仮想して、地元の現状の深刻さ、人口減少の影響を真摯な態度で受け止め、若さで夢のあるレポートが作成できる。

成績評価の方法および基準

中間レポート(30%)、期末レポート(40%)、発表(20%)、授業参加態度(10%)の配分によって総合的に評価する。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書テキストはなし 適宜資料を配布する
参考文献①『鉄道会社の経営』佐藤信之著中央公論新社
参考文献②『新将命の社長の教科書 LEADERSHIP 徳のある社長になるための方程式』新 将命著致知出版社
参考文献③『問題解決プロフェッショナル』新版齋藤嘉則著ダイヤモンド社
参考文献④『世界鉄道の旅』櫻井寛編著小学館

準備学修の内容

 観光交通論Ⅱの期末レポートは要求字数(原稿A4、5枚以上)が多いので、取り組む赤字鉄道会社を早めに選定し、事前の情報収集とレポートの各章ごとの執筆を早めに進めること。
 春期(前期)期末レポートではCOVID-19対策グッドアイデアを要求作成した。今期の中間レポートにはその具体的な実行案を盛り込んだものを要求する。レポート作成に備えて企業再生に成功した事例から経営理念、夢を語るところ、先見性、真の原因発見と解決策、協力者たちを調べておくこと。この授業に備えて、問題解決法を予習しておくこと。

その他履修上の注意事項

 受講学生の上限を24名と制限し、受講生がその人数を越えている場合は、前期観光交通論Ⅰの授業参加態度、意欲、成績から受講の可否を総合的に判断する。観光交通論ⅠとⅡを連続して履修が望ましい。春期の産業・企業研究Ⅰ(問題解決法)の履修が役立つのでこちらの履修を勧めます。欠席数が授業回数の1/3を超えた学生は成績評価の対象外です。期末レポート・発表は授業外にテーマ決定、調査、分析、対策、発表準備にかなり時間をかけないと出来ません。北海道・東北、関東、北陸信越・中部、近畿、中国・四国、九州等地域毎に集まりグループ討議を実施、情報交換をします。学修時間が取れそうもない人、出席数が確保出来ないと予測される学生&コミュニケーションに積極的でない学生は履修を勧めません。

授業内容

授業内容
第1回 イントロダクション、本講義の全体像などの説明 
第2回 交通の歴史と未来(観光交通論Ⅰの振り返り)
第3回 鉄道事業者の観光取り組み1(小田急電鉄)
第4回 鉄道事業者の観光取り組み2(南海電鉄)
第5回 鉄道事業者の観光取り組み3(JR九州)  海外高速鉄道(フランスTGV編)
第6回 中小鉄道の取組み事例(1)津軽鉄道   海外高速鉄道(ドイツICE編)
第7回 中間のまとめ(中間レポート提出)   海外高速鉄道(英国ユーロスター編)
第8回 レポートテーマの選定・調査      海外高速鉄道(スウェーデンX2000他編)
第9回 テーマ会社の概要・収支状況調査    海外豪華列車(オリエント急行他)
第10回 情報整理・赤字会社の問題点は何か 国内豪華列車(ななつ星 in 九州)
  
第11回 赤字会社の目標設定・分析     国内豪華列車(TRAIN SUITE 四季島)
第12回 赤字会社の分析結果・手順・再生策 国内豪華列車(TWILIGHT EXPRESS 瑞風)
第13回 再生策の評価(予想)・発表準備
第14回 発表時相互評価準備・地域グループ毎リハーサル
第15回 全体まとめ 発表(期末レポート提出)
※授業の計画はあくまでも当初の予定であり、COVID-19の状況、講師の都合・授業進捗によっては変更されることがある。