幼児と環境
担当者岡田 たつみ教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [初等教育学科 こども教育コース]
科目ナンバリングESS-111

授業の概要(ねらい)

 乳幼児期は、生活や遊びの中で環境と触れ合うことで、自分を取り巻く世界に関心をいだく。環境に興味を持ち、自然物に触れ合い心が和らいだり、様々な感情が生まれたり好奇心を抱き探求心が生まれ、思考力、表現力の基礎が身につく。また、自然に対して畏敬の念を持つようになる。身近なものに関心を持ち、工夫したり考えたりすることで物事の法則性に気付き、自分なりに考えるようになり、それを身近な人たちに伝えようとする。動植物に対する愛情を持ち、自ら関わろうとする姿を生み出す。つまり、周囲の環境との相互作用を通じて、こどもたちは育っていくのである。
 本授業では、身近な環境がこどもたちに与える影響、こどもたちが環境に与える影響について学ぶ。加えて日常生活の中で、数量や図形、文字とどのように出会い、関心を持ち、それが思考の中に如何に組み込まれるのかを学ぶ。また、保育者はそのために如何に援助し得るのかについてグループワーク、プレゼンテーション、討議を通して他者の意見も参考にしながら学びを深める。さらに、社会とのつながりとその重要性についても考察する。

授業の到達目標

(1)自然との触れ合いが、こどもの好奇心や探求心へつながり、それを他者に伝えようとすることを理解し、
   他者に説明することができる。
(2)身近な動植物と触れ合うことで、命の尊さと生命の不思議さを感じることを理解し、他者に説明できる。
(3)身近な事象と関わることで、物の性格や仕組みに気付き、それを自分なりに工夫して表現しようとする基本的な
   子どもの発達について理解し、修得する。
(4)遊びや生活の中で、数量、図形、文字や標識に興味を持ち、その役割を知ることの基本的な事項を修得する。
(5)地域の文化や特性を知り、社会とつながること、異なる世界を知る活動を通して国際理解の意識の芽生えの重要
   性を他者に他者に説明することができる。
(6)遊びや生活を通して周囲の世界や情報に関心を持ち、その意味や操作の仕方を知ろうとすることの意義を他者に
   説明することができる。

成績評価の方法および基準

課題への取り組み及び授業態度40%、提出物30%、まとめの課題30%を総合して評価する。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書『幼稚園教育要領解説』『保育所保育指針解説』『幼保連携型認定こども園教育・保育要領解説』『幼稚園教育要領』『保育所保育指針』『幼保連携型認定こども園教育・保育要領』文部科学省 厚生労働省 内閣府・文部科学省・厚生労働省チャイルド本社 その他
参考文献 ー基礎的事項の理解と指導法ー 環境 岡健編著建帛社

準備学修の内容

 ①自然と関わることに関心を持ち、資料を収集しまとめること
 ②自分自身が出会った身近な事象を、ノートにまとめること
 ③生活の中にある数量、図形、文字や標識に気づき、幼児にとっての役割や意味や理解について自分自身の考えをまとめること
 ④地域の文化や特性を知り、社会とつながること、異なる世界を知る活動に積極的に取り組み、レポートにまとめること

その他履修上の注意事項

グループワーク、プレゼンテーションでは仲間と協力し、自分の役割を意識して取り組むこと。本教科を履修した後に、保育内容の指導法(環境Ⅰ)を受講すること

授業内容

授業内容
第1回イントロダクション
「幼稚園教育要領」における「環境」のねらいについて学ぶ
第2回幼児と自然
自然の不思議さを知ることの意義について学ぶ
第3回身近な動植物とのかかわり
動植物と関わることで、命の大切さを知り畏敬の念を抱くことを知り、自らもかかわりを持つ必要性を学ぶ
第4回遊びの中での環境との出会い
様々な物に触れ、その性質や仕組み、法則に関心を抱くことを学ぶ
第5回環境との触れ合い
遊びの中で出会った物や空間を工夫して使う幼児の姿を学ぶ
第6回生活の中での環境との触れ合い
生活の中で、身近な施設や情報などに関心を持つことの大切さを理解する
第7回数量との出会い
日常生活の中で、数量に関心を持ち自分なりに理解しようとすることを知る
第8回日常生活の中の数量
数量関心を持ち工夫して遊びの中に取り入れようとする重要性を理解し、環境設定の意義について学ぶ
第9回日常生活の中の図形、標識
日常生活の中で図形や簡単な標識と出合い、それを工夫して活用しようとするこどもの姿を知り、その意味について考察する
第10回日常生活の中の文字
日常生活の中で簡単な文字と出会い、関心を持つことの意義を学ぶ
第11回生活における環境との相互作用
身近な事象に関心を持ち、生活に取り入れる意味を考える
第12回遊びにおける環境との相互作用
身近な事象に関心を持ち、生活や遊びに取り入れる具体例や方法を学ぶ
第13回我が国や地域の伝統文化
伝統文化を取り入れること、社会とつながることの重要性について学ぶ
第14回異なる文化との触れ合い
異なる文化との触れ合いを通じて、国際理解の意識の芽生えを養う重要性を学ぶ
第15回振り返りとまとめ
第1回~14回を振り返り、幼児と環境について理解を深める