担当者 | 宇多 浩教員紹介 | |
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単位・開講先 | 選択 2単位 [外国語研究科 超域文化専攻] | |
科目ナンバリング |
伝統的に、人間は「心」と「身体」をもった存在と考えられてきた。しかし、「心」・「身体」とはどのような存在か、両者はどのように関係しあっているのかという問題には現在においても明瞭な答えはなく、さまざまな思想家たちによって、多様な見解が呈されてきた。
この講義では、西洋の哲学において人間の「心」と「身体」、両者の関係について、どのような捉え方・考え方がなされてきたのかを概観してゆくことにする。プリーストの『心と身体の哲学』をテキストとし、各章に登場する思想家の立場を検討する、という流れで進めていく。前期の授業では心身二元論の系譜(プラトン、デカルトの思想)をたどり、それに続いて、論理学的行動主義の立場を見ていくこととする。
なお、この授業は少人数授業であることを踏まえ、講義形態ではなく、学生によるレジュメ作成・ディスカッションを中心とした授業とする。
・テクストの各章に登場する思想の要点を自分の言葉でまとめられる。
・「心」と「身体」の関係について、各思想家の主張を踏まえながら、自分の見解を示すことができる。
テキストの内容理解と平常点(積極的な参加度)によって評価する。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 『心と身体の哲学』 | スティーブン・プリースト | 勁草書房 |
参考文献 |
授業までにテキストの該当箇所(もしくは該当の文献)を読み、要点をまとめてくる。
授業では文献の読解を重視します。
回 | 授業内容 |
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第1回 | ガイダンス |
第2回 | プラトン (1) 『パイドン』の概要について |
第3回 | プラトン (2) 『パイドン』を読む (1) 霊魂不滅説の論証 (1) |
第4回 | プラトン (3) 『パイドン』を読む (2) 霊魂不滅説の論証 (2) |
第5回 | プラトン (4) 『パイドン』を読む (3) 霊魂不滅説の論証 (3) |
第6回 | デカルト (1) 『省察』の概要について |
第7回 | デカルト (2) 『省察』を読む (1) 普遍的懐疑とエルゴ・コギト・スム |
第8回 | デカルト (3) 『省察』を読む (2) 心身二元論 |
第9回 | デカルト (4) 『省察』を読む (3) 心身問題と心身の合一 |
第10回 | 論理的行動主義 (1) ライル『心の概念』を読む (1) 「機械の中の幽霊」とカテゴリー・ミステイク |
第11回 | 論理的行動主義 (2) ライル『心の概念』を読む (2) 論理的行動主義とその問題点 |
第12回 | 論理的行動主義 (3) ウィトゲンシュタイン『哲学探究』を読む (1) 私的言語論 |
第13回 | 論理的行動主義 (4) ウィトゲンシュタイン『哲学探究』を読む (2) 経験は私的なものか? |
第14回 | 論理的行動主義 (5) ウィトゲンシュタイン『哲学探究』を読む (3) 意味は私的なものか? |
第15回 | 授業のまとめ |