障害理解心理学特論(福祉分野に関する理論と支援の展開)
担当者黒田 美保教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [文学研究科 臨床心理学専攻]
科目ナンバリング

授業の概要(ねらい)

発達障害への支援を通して、障害者の心理学的な理解と社会福祉施策の理解を進める授業とする。最初に、WHOの定める障害の定義を理解し、障害から生じる様々な障壁に対する合理的配慮について学ぶ。その後、発達障害から生じやすい心理的な問題を理解し、適切な発達障害児者への支援や家族支援、福祉制度や社会的支援を考えていく。

授業の到達目標

発達障害を通して、障害から生じやすい心理的な問題を理解し、それにどうアプローチするかを習得する。アプローチには心理的な支援もあるが、社会福祉的な支援もある。また、支援のためには多機関連携や多職種連携が重要である。これら理解して適切に実施できることが、福祉臨床の場面では求められている。公認心理師等の心理専門職として障害者福祉に貢献できる実践力を身に着けることを、最終目標とする。

成績評価の方法および基準

学期末にレポート試験を行う。これに加え,毎回の授業に対する取り組みを考慮して総合的に評価する(割合はレポート60%、平常点40%とする)。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書公認心理師のための発達障害入門黒田美保金子書房
参考文献ICF(国際生活分類)活用の試み独立行政法人国立特別支援教育総合研究所/世界保健機構(編)ジアース教育新社
参考文献発達障害児者支援とアセスメントのガイドライン辻井正次(監修)金子書房
参考文献福祉心理学(公認心理師の基礎と実践 第17巻)中島健一遠見書房

準備学修の内容

各授業の最後に、次回の授業内容に触れ、教科書および他の媒体を読んだり調べるように指示するので、それに従って予習をすること。また、授業内で復習のポイントを指示するので、そのポイントに従って各自まとめ学習を行う。

その他履修上の注意事項

授業は、前半に教員からの講義、あるいは、担当を決めて教科書の内容を発表してもらい、それに基づいて討論やグループワークを行い、内容を深めていく。受講者は問題意識をもって積極的に参加して欲しい。

授業内容

授業内容
第1回オリエンテーションと障害の定義について、WHOが定める障害の定義の変遷と現在の定義を学ぶ
第2回合理的配慮を理解し、実際のケースへの対応を考える
第3回発達障害の種類と概要について学ぶ
第4回発達障害に関する法律について学ぶ
第5回心理支援におけるアセスメントについて学ぶ
第6回発達障害に特化した検査1:自閉スペクトラム症のアセスメント
第7回発達障害に特化した検査2:ADHDとSLDのアセスメント
第8回発達障害の人をどう支援していくかを考える
第9回発達障害への支援方法(心理的支援・家族支援・社会福祉的支援)を学ぶ
第10回構造化による発達障害への心理的支援を学ぶ
第11回応用行動分析による発達障害への心理的支援を学ぶ
第12回発達障害の家族に対する心理的支援と社会福祉的支援を学ぶ
第13回ケーススタディ 幼児期・児童期の発達障害への心理的・社会福祉的支援
第14回ケーススタディ 青年期・成人期の発達障害への心理的・社会福祉的支援
第15回まとめ