担当者 | 稲垣 綾子教員紹介 | |
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単位・開講先 | 必修 2単位 [心理学科 2017年度以前] | |
科目ナンバリング | SEM-302 |
《個と関係性にかんする理解と研究》
心理療法には大きくふたつの括りがあります。一つは,精神分析などの個人心理療法が担ってきた個人の内的プロセスに働きかける介入、もう一つは,家族療法などが取り組んできた対人間の相互交流に働きかける介入です。昨今の臨床現場では、個人レベルの問題から対人間レベルの問題まで多種多様の課題や困難が繰り広げられています。個人内の力動に加え、関係性のシステムといった観点からも全体を見立て,理解していこうとする複眼的な視点は,心理職をはじめ対人援助に携わりたいと考えている学生のみならず,一般就労を目指す学生にとっても,広くて奥深い人間理解として役立つでしょう。
このゼミでは2年間のなかで,
①「個人の心のなかには人がいる」 ・・・対象関係の視点
②「安心の基地から探索・社交システムへ」 ・・・アタッチメントの視点
③「関係性のなかでしごとをする」 ・・・家族療法の視点
以上,3つの視点を軸に,個と関係性にかんする研究や実践にかかわっていきます。
秋学期のⅡは、前期をとおして得た関心から、個人ないしグループで調査を行います。個人と関係性にまつわることであればどんなテーマでも結構です。生のデータに触れ、データにもとづいて何が起こっているのかを考え,上記3つの視点,もしくはいずれかの視点から考察を行うことを目指します。最終的に論文形式でまとめていきます。
Ⅰより引き続き,個と関係性にかかわる実践として,ボランティア活動(小学校における子どもたちの放課後支援,障害をもつ子どもたちへの療育的支援など)の希望も受け入れます。
調査は質問紙調査の他に,上記ボランティア活動における参与観察や,KJ法,インタビュー調査など,質的研究も推奨します。
授業時間以外にも、先行研究のまとめ、調査、発表準備、ミーティングなどを要します。自主的、積極的、協力的な学生の参加を求めます。
1)個人を対象とした心理療法と,家族や地域への心理援助の違いと共通点を説明できる。
2)子ども青年と家族の心理援助でテーマになる諸問題について説明できる。
3)心理援助における,力動的視点と関係システム的視点,それらをつなぐアタッチメントの視点を理解する。
4)判定的な態度ではなく,さまざまな価値観やあり方を尊重する姿勢を身につける。
発表・ディスカッション40%、授業態度30%、最終レポート課題30%
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | |||
参考文献 | 初心者のための臨床心理学研究実践マニュアル | 津川律子・遠藤裕乃著 | 金剛出版 |
参考文献 | 質的研究法 | 能智正博著 | 東京大学出版会 |
参考文献 | 臨床現場で役立つ質的研究法 臨床心理学の卒論・修論から投稿論文まで | 福島哲夫編 | 新曜社 |
授業時間以外にも、先行研究のまとめ、調査、発表準備、ミーティングなどを要します。
自主的・積極的・協力的な「個も関係性も大切にする and/ or したい」学生の参加を歓迎します。
ロールプレイやワークでは自分のことを題材にすることがあります。この点を承知の上,希望してください。
「心理的アセスメント論」,「心理学研究法Ⅲ(面接・質的研究法)」,「心理学研究法Ⅳ(観察法)」を履修,ないし,並行して履修することをお勧めします。
回 | 授業内容 |
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第1回 | 秋学期オリエンテーション & 臨床現場でも活用されるカードゲーム |
第2回 | 夏休みの課題・先行研究の発表,課題の検討1 |
第3回 | 夏休みの課題・先行研究の発表,課題の検討2 |
第4回 | 先行研究の整理:問題と目的をまとめ,方法を導き出す1 |
第5回 | 先行研究の整理:問題と目的をまとめ,方法を導き出す2 |
第6回 | 調査実施1 |
第7回 | 調査実施2 |
第8回 | 小学校・放課後支援における参与観察1 |
第9回 | 小学校・放課後支援における参与観察2 |
第10回 | 調査結果の分析・考察1 |
第11回 | 調査結果の分析・考察2 |
第12回 | 最終報告書の作成1 |
第13回 | 最終報告書の作成1 |
第14回 | レポート提出&アンケート |
第15回 | まとめ |