担当者 | 稲垣 綾子教員紹介 | |
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単位・開講先 | 必修 0単位 [心理学科 2017年度以前] | |
科目ナンバリング | SEM-301 |
《個と関係性にかんする理解と研究》
心理療法には大きくふたつの括りがあります。一つは,精神分析などの個人心理療法が担ってきた個人の内的プロセスに働きかける介入、もう一つは,家族療法などが取り組んできた対人間の相互交流に働きかける介入です。昨今の臨床現場では、個人レベルの問題から対人間レベルの問題まで多種多様の課題や困難が繰り広げられています。個人内の力動に加え、関係性のシステムといった観点からも全体を見立て,理解していこうとする複眼的な視点は,心理職をはじめ対人援助に携わりたいと考えている学生のみならず,一般就労を目指す学生にとっても,広くて奥深い人間理解として役立つでしょう。
このゼミでは2年間のなかで,
①「個人の心のなかには人がいる」 ・・・対象関係の視点
②「安心の基地から探索・社交システムへ」 ・・・アタッチメントの視点
③「関係性のなかでしごとをする」 ・・・家族療法の視点
以上,3つの視点を軸に,個と関係性にかんする研究や実践にかかわっていきます。
春学期のⅠでは,個と関係性それぞれに向ける“目と耳と,感じ考える心”を養うことを目的に,臨床事例に関するディスカッションや,家族療法事例のロールプレイ,ファミリープレイジェノグラムを通してさまざまな関係性や心のレベルについて理解を深めながら,子ども青年と家族への心理援助に関する文献を読んでいきます。
同時に、秋学期に行う調査に向けて、自分の関心をまとめて文献にあたっていきます。
隔年で,個人療法事例にも触れていき,2年間で個人を対象とした心理療法と,家族や地域への心理援助の違いと共通点について実践的理解を深めていきます。
なお,個と関係性にかかわる実践として,ボランティア活動(小学校における子どもたちの放課後支援,障害をもつ子どもたちへの療育的支援など)の希望も積極的に受け入れます。
1)個人を対象とした心理療法と,家族や地域への心理援助の違いと共通点を説明できる。
2)子ども青年と家族の心理援助でテーマになる諸問題について説明できる。
3)心理援助における,力動的視点と関係システム的視点,それらをつなぐアタッチメントの視点を理解する。
4)判定的な態度ではなく,さまざまな価値観やあり方を尊重する姿勢を身につける。
ディスカッション・ロールプレイなどのアクティビティへの参加度40%、授業態度30%、発表・課題30%
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 『家族のための心理援助』 | 中釜洋子著 | 金剛出版 |
参考文献 |
授業時間以外にも、先行研究のまとめ、調査、発表準備、ミーティングなどを要します。
自主的、積極的、協力的な学生の参加を求めます。
ロールプレイやワークでは自分のことを題材にすることがあります。この点を承知の上,希望してください。
「心理的アセスメント論」,「心理学研究法Ⅲ(面接・質的研究法)」,「心理学研究法Ⅳ(観察法)」を履修,ないし,並行して履修することをお勧めします。
自主的・積極的・協力的な「個も関係性も大切にする and/ or したい」学生の参加を歓迎します。
回 | 授業内容 |
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第1回 | オリエンテーション&他己紹介 |
第2回 | 個と関係性への心理臨床的アプローチ ―力動的,発達的,関係システム論的視点による実践― |
第3回 | 子どもと家族を対象にした臨床事例&ディスカッション |
第4回 | 家族療法事例/個人療法事例(DVD)&ディスカッション(/は隔年実施) |
第5回 | 家族療法ロールプレイ/ファミリープレイジェノグラム(/は隔年実施) |
第6回 | 家族のための心理援助とはなにか(Ch.1) |
第7回 | 家族療法は個人心理療法とどこが異なるのか(Ch.2) |
第8回 | 言動の視点から家族と関わる(Ch.3) |
第9回 | 文脈の視点から家族と関わる(Ch.4) |
第10回 | ビリーフ(ものの見方や考え方)の視点から家族と関わる(Ch.5) |
第11回 | 図書館ツアー・文献の探し方 |
第12回 | 個と関係性にかんする興味・テーマ発表1 (秋学期の調査に向けて) |
第13回 | 個と関係性にかんする興味・テーマ発表2 |
第14回 | 個と関係性にかんする興味・テーマ発表3 |
第15回 | まとめ |