担当者 | 長島 光一教員紹介 | |
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単位・開講先 | 選択 2単位 [法律学科 2017年度以前] | |
科目ナンバリング | NFL-308 |
環境法は、学際領域として、様々な法律学の分野の視点、様々な学問領域の視点をふまえた分析が必要となります。
この講義では、環境問題を様々な視点から考えるとともに、その限界を理解し、その克服として環境法を位置づけて解説をしていきます。
環境法を理解するためには、①現場でどのような問題が発生してきたのか、②どのような法的な問題があるのか、③その対処に当たって既存の法での対応ができるのか、できないならば、どのような限界があり、それにどのように対応してきたのかという3つのステップが必要となります。
環境法Ⅱでは、主に①と②に焦点を当てて、法学の基本的な考え方との対比で、環境法の意義を学んでいきます。
なお、ゲストスピーカーも呼ぶ予定もあります。
①環境問題を法的な観点から分析することができるようになる。
②憲法・民法・刑法との対比で、環境法の意義を理解できるようになる。
③実際の環境問題に対して、どのように対処すべきか、市民・行政・企業等の立場から法的な対応を実践的にできるようになる。
④環境紛争に対し、適切な紛争解決方法を提案できるようになる。
学期末にテストを行い評価します(70%)。
また、毎回、リアクションペーパーを求めますので、そこで書かれたことや発言等も重視します(30%)。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 『環境訴訟法』(2015年) | 越智敏裕 | 日本評論社 |
参考文献 | 『公害・環境訴訟と弁護士の挑戦』(2010年) | 日本弁護士連合会公害対策環境保全委員会編 | 法律文化社 |
予習について、教科書の次回の該当頁を事前に告知しますので一読することをお勧めします。また、レジュメに次回の学ぶ範囲の課題を提示しておきますので、それについて自分の考えをまとめておいてください。
復習について、毎回のレジュメの最後に演習課題を出しますので、各自取り組んでみてください。(翌週に解説をします。)
環境問題は身近な課題です。「自分だったら、その問題に対してどのように対処するのか?」という問題意識をもって臨んでほしいと思います。
なお、講義では、ドラマや映画、アニメ、ニュースなども取り上げ、環境法との関連に言及します。幅広い知識と関心をもって臨んでください。
回 | 授業内容 |
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第1回 | ガイダンス:環境問題についてどのような紛争があるのか概観します。 |
第2回 | 動物をめぐる紛争:アマミノクロウサギ訴訟など、自然保護訴訟の法理論構築の難しさを考えます。 |
第3回 | 大気汚染をめぐる紛争:四日市ぜんそく訴訟、西淀川大気汚染訴訟から、大気汚染の原因追及の難しさと裁判によるその対応・補完を理解します。 |
第4回 | 水質汚濁をめぐる紛争:水俣病訴訟、イタイイタイ病訴訟から、四大公害の被害救済の実態を理解します。 |
第5回 | 騒音をめぐる紛争:大阪国際空港訴訟、厚木基地訴訟から、騒音の防止にあたっての技術や科学的知見をどのように法的に導入してきたのか、どのように和解をすべきなのかを整理します。 |
第6回 | 土壌汚染をめぐる紛争:契約不適合責任訴訟や放射性物質の除染訴訟から、土壌汚染の紛争解決の最先端を学びます。 |
第7回 | 廃棄物処理場をめぐる紛争:豊島事件から、不法投棄の深刻さ、廃棄物処理業者と住民の長年にわたる裁判での争いについて歴史をたどり、不法投棄をどのようになくすべきかを考えます。 |
第8回 | 農業・漁業をめぐる紛争:よみがえれ有明訴訟(諫早湾干拓をめぐる訴訟)から、社会問題の法による解決の限界を学びます。 |
第9回 | 景観紛争:国立景観訴訟から、景観の利益の重要さ、マンションができたときの法的な問題の諸相を学びます。 |
第10回 | 原発被害をめぐる紛争:ここ最近の原発賠償訴訟から、原発被害の実態を理解します。特に、ふるさとを返せ津島原発訴訟について、現場の実態を考えます。 |
第11回 | 原発差止めをめぐる紛争:伊方原発訴訟から、原発の安全は誰がどのように守るべきなのかを考えます。そして、原発事故後の差止めの裁判について検証します。 |
第12回 | エネルギーをめぐる紛争:伊達火力発電所訴訟、太陽光発電訴訟、シロクマ訴訟から、様々なエネルギーをどのように導入べきなのか、環境問題としてどう考えるのかを考えます。 |
第13回 | 労働環境・NINBYをめぐる紛争:アスベスト訴訟や近隣の迷惑施設をめぐる訴訟から、市民の安全や不安をどのように守るのかを考えます。 |
第14回 | 外国での紛争・国際環境をめぐる紛争:海外の環境訴訟から、海外の環境問題の解決方法を探ります。 |
第15回 | まとめ:これまでの講義で触れた事項の要点を確認するとともに、時事的なトピック等を検討します。 |