世界の情勢(ヨーロッパ)Ⅱ
担当者ミシュラン フランク教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [総合基礎科目]
科目ナンバリングARS-104

授業の概要(ねらい)

 この授業では「欧州連合の中の仏独関係」を取り上げます。フランスとドイツはヨーロッパの強国で、西洋文明にとって非常に重要な役割を果たして来ましたが、1870年から1945年の間に3回ほど争った歴史があります。しかし、第二次世界大戦後に、両国は様々な努力をして信頼関係を築き、欧州連合(EU)構築に協力して来ました。
 21世紀になり、西と東に分裂していたドイツの併合、フランスの経済的衰弱、東欧諸国の欧州連合(EU)への加盟等によって、ドイツがフランスの国力を上回ることで、仏独の間に協力が難しくなりました。それが現在の欧州連合(EU)の危機要因だと言っても過言ではありません。
 この授業では、欧州連合(EU)の歴史や従来の動向を考えた上で、今後の課題を分析します。進み方は、講義だけでなく、映像等を用い、様々な方法でヨーロッパの特殊性、長所や短所を考察してみます。また、現在の不安定な世界の中で、多くの事件が起こると考えるため、専門家にゲスト・スピーカーとして話しいただき、新しい情報に沿って柔軟に授業を進めます。

授業の到達目標

 ①欧州連合(EU)の特徴を理解する。
 ②ヨーロッパの歴史や現在に関する知識を学び、21世紀の新たな動向を考える。
 ③日本をヨーロッパと比較しながら、日本の展望を考察する。

成績評価の方法および基準

中間レポート 40%、期末レポート 60%

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書教科書は使用しない。
教科書特になし。
参考文献実習指導日等で適宜紹介する。
参考文献『仏独関係千年紀: ヨーロッパ建設への道』(2014年)宇京 頼三法政大学出版局
参考文献『欧州統合史のダイナミズム―フランスとパートナー国』(2003年)ロベール・フランク日本経済評論社
参考文献『欧州複合危機ー苦悶するEU、揺れる世界ー』(2016)遠藤 乾中央公論新社

準備学修の内容

 毎週のテーマについて予めの準備学習をし、参考文献等を読んで行う。ヨーロッパに関するニュースを毎週読む。毎回授業の復習をする。

その他履修上の注意事項

毎週遠隔授業の教材を読み、わからないところについてインターネット、文献等を通して調べる。

授業内容

授業内容
第1回 講義の紹介
 仏独関係の重要さについて
第2回 フランスとドイツが決別した日
第3回 神聖ローマ帝国とフランス王国
第4回 三十年戦争
第5回 フランス革命、ナポレオンとドイツ民族主義台頭
第6回 日仏の長い競争
第7回 第二次世界大戦の傷を乗り越える
第8回 仏英同盟から仏独同盟へ。中間テスト
第9回 仏独協力の黄金の時代
第10回 東ドイツ合併とユーロ導入
第11回 ドイツ覇権の恐れ
第12回 平衡を失った関係
第13回 違う方向へ向かう
第14回 テロ、移民、ポピュリズム
第15回 まとめ。試験