ソーシャルビジネス実習基礎
担当者李  永淑教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [社会学科]
科目ナンバリングSWS-201

授業の概要(ねらい)

ソーシャルビジネスとは、ビジネスを手段としてさまざまな社会的課題の解決を試み、それらを通して新しい社会的価値を創出する取り組みです。
 本学のある立川、八王子、多摩地域では、ソーシャルビジネスを展開する多くの社会的企業が活躍しています。
 本授業では、本学近隣地域でソーシャルビジネスを展開している、社会的企業の皆様と連携してPBL型の授業を行うことにより、地域社会で活躍できる人材を育てることを目的としています。
 PBLとは、Problem-based learning(課題解決型学習)もしくはProject-based learning(プロジェクト型学習)と呼ばれ、企業や地域、教員、もしくは学生が設定した課題や目標に対して、受講生たちがチームで取り組む教育手法です。PBLには、明確な答えがないため、受講生たちが自律的・主体的に取り組むことが必要不可欠です。
 本授業では、協力いただく事業所から協働可能な内容をご提示いただき、受講生たちがプロジェクトの具体的な内容を企画立案します。
 計画したプロジェクトは、実際に実施します。
 そのため、本授業ではクラス全員が、プロジェクトの成功をともに考え、そのために必要なアクションについて、命令や権限に関係なく自分自身で、そして仲間と一緒に動き出すといった、「権限なき自然発生的なリーダーシップ(日向野・松岡 2017)」の開発を重視しています。
 
 ※2019年度のプロジェクトの内容と様子はこちらを参照してください。
 帝京大学八王子キャンパスニュース https://www.teikyo-u.ac.jp/campus_news/hachioji/2020/0115_8818.html
 
 本授業でご協力いただく社会的企業及び、予定しているPBLの内容は以下の通りです(順不同)。
 
1.株式会社 キャリア・マム:女性キャリア支援事業(http://www.c-mam.co.jp/)
<PBL内容>
①キャリア・マムが運営する「おしごとカフェ(ココリア多摩センター5F)」や、「東京都認定インキュベーション施設 コワーキングCoCoプレイス(ココリア多摩センター7F)」などの、事業紹介コンテンツ(SNSや動画、配付物等)の制作・提案・配信等。
②多摩市の子どもたちや、親子を対象としたイベント
 
2.認定NPO法人 育て上げネット:若者支援事業(https://www.sodateage.net/)
<PBL内容>
無業・引きこもり状態、その他さまざまな生きづらさを抱えている若者とのフットサル大会

3.認定NPO法人 多摩草むらの会:精神障害者就労支援事業(http://kusamura.org/)
<PBL内容>
①スタッフ・利用者とのイベント企画
例:トーナメントの企画(将棋大会、麻雀大会、バレーボール大会)
例:音楽コラボセッションと発表会(ラップ、楽器バンド、コーラス)
②同法人が運営する福祉農園を会場としたイベント

4.医療法人社団 康明会:高齢者支援事業(http://www.komei-mc.or.jp/komeikai-hospital/)
<プロジェクト内容>
デイケアサービスにおける、各種レクリエーションイベントの企画、学内サークルやその他個人・団体とのマッチング企画

 春期授業では、秋期実習(夏期現場実習およびPBLの実施)に向けた学習および準備を行います。
 春期授業を踏まえて、受講生は夏期休暇中のフィールドワーク先と参加するプロジェクトを選択します

授業の到達目標

・「ソーシャルビジネス」という概念を理論的・実践的側面から考え、理解し、「自分事」として行動につなげることができる。
・一連のカリキュラムを通して、「見る・聴く・体験する・議論する・調べる・企画する・提案する・交渉する・協働する・報告連絡相談する・発信する」ことを経験し、その力を具体的に身に付けながら、学びを深めることができる
・卒後、地域社会で発揮できるための、論理的思考や協調性、職業意識を育成し、それを学生自身が考える「就業力」につなげることができる。
・現代社会における「仕事」「働く」ことについて社会学的に考え、自分なりの「答え」を探求し、それを言語化することができる。

成績評価の方法および基準

 出席状況・クラスへの貢献・発表(20%)、課題(80%)を踏まえて、総合的に評価します。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書
参考文献社会を変えたい人のためのソーシャルビジネス入門駒崎弘樹PHP新書
参考文献「増補版」大学教育アントレプレナーシップ いかにリーダーシップ教育を導入したか日向野幹也・松岡洋祐ブックウェイ
参考文献

準備学修の内容

授業内で適宜指示します。

その他履修上の注意事項

・本授業は春期・秋期の通年科目であり、秋学期「ソーシャルビジネス実習」は、春学期「ソーシャルビジネス実習基礎」を履修していることが受講の要件となります。したがって受講生は原則、通年で受講してください。
・ご協力いただく事業所の事情により、予定が変更となる場合があります。
・実習科目であるため、原則8割以上の出席を求めます。
・事業所における学外授業(土曜日)を実施する予定です。受講生は、4つの事業所のうち、2か所を選択します(第5回(5月16日)、第6回(5月23日))。そのほかにも、多摩市若者会議とのコラボレーション授業(第14回授業、7月11日土曜日)も実施する予定です。(つまり、今学期は土曜日授業が3回あります)具体的な内容は初回ガイダンスで発表しますので、受講希望者は初回授業に必ず参加してください。
・学内外の多様な方々と進めていくという授業の性質上、「ホウレンソウ(報告・連絡・相談)」をしっかり行うことが求められます。したがって、卒業後の職業人にとって基本的な対応(返事をきちんと返す、人任せにしない、約束事は守る、困ったことは相談する、情報を共有する、等)ということを常に心がけてください。著しくできていない場合は、具体的な対応・対策を求めます。

授業内容

授業内容
第1回授業ガイダンス(受講希望者は必ず参加してください):4月14日
第2回ビジネスマナーとビジネススキル :4月21日
第3回PBL・ソーシャルビジネス概論① :4月28日
第4回PBL・ソーシャルビジネス概論② :5月9日(土曜日)
第5回学外授業(1か所を選択)5月16日(土曜日)
①認定NPO法人 多摩草むらの会
②株式会社 キャリア・マム
第6回学外授業(1か所を選択)5月23日(土曜日)
①認定NPO法人 育て上げネット
②医療法人社団 康明会
第7回グループワーク①(学外授業における学び・気づきの言語化と、企画コンセプトの抽出)5月26日
企画書の書き方
第8回グループワーク②(学外授業における学び・気づきの言語化と、企画コンセプトの抽出)6月2日
企画書の書き方
第9回グループワーク③(学外授業における学び・気づきの言語化と、企画コンセプトの抽出)6月9日
企画書の書き方
第10回社会的企業による講義①認定NPO法人 多摩草むらの会(j講師:代表理事 風間美代子氏)6月16日
企画書の発表
第11回社会的企業による講義②認定NPO法人 育て上げネット(講師:コースコーディネーター 阿部渉氏、武田直弥氏)6月23日
企画書の発表
第12回社会的企業による講義③医療法人社団 康明会(講師:理事長 遠藤正樹氏)6月30日
企画書の発表
第13回社会的企業による講義④株式会社 キャリア・マム(講師:代表取締役社長 堤香苗氏)7月7日
企画書の発表
第14回多摩市若者会議(https://tamayouth.jp/)とのコラボレーション授業 7月11日(土曜日)
「学生だからできることとは?大学生×社会人のまちづくりプロジェクトから、魅力の発見・創出・発信を学ぶ(仮題)」
場所:未知カフェ(https://tamayouth.jp/michicafe/)
第15回まとめと振り返り、実習ガイダンス 7月14日