授業の概要（ねらい）

　【選択科目】【特別支援教育に関する科目・特別支援教育領域に関する科目・心身に障害のある幼児児童又は生徒の教育課程及び指導法に関する科目】
　「特別支援教育を推進するための制度の在り方について」（答申）が、平成17年12月に中央教育審議会より出された。
　障害のある幼児児童生徒の教育は、従来考えられてきた特別な教育の場から一人一人の特別な教育的ニーズに応じたものに変わってきた。平成19年からは視覚障害、聴覚障害、知的障害、肢体不自由、病弱・身体虚弱、言語障害、情緒障害に加えて、学習障害（LD）、注意欠陥／多動性障害（ADHD）、高機能自閉症が、教育の対象となった。約3.88％の児童生徒を対象とした教育から、約10％の児童生徒を対象とした教育に変わってきている。特に、学校教育法が改正され、平成19年４月１日から、従前の「特殊教育」は「特別支援教育」へ、「盲学校、聾学校及び養護学校」は「特別支援学校」へ、「特殊学級」は「特別支援学級」へと名称変更されている。
　本授業においては、知的障害の児童生徒に対する指導を中心としつつ、併せて、知的障害と肢体不自由を併せる児童生徒への実際的な指導方法などについて、講義及び教材等の開発、教材研究、学習指導案作成練習などを行い、特別支援学校の教員として必要となる指導法の基礎を学ぶ。特に、新学習指導要領・同解説が公示されたことを受け、これまでの学修指導要領の変遷を踏まえて知的障害教育の指導法を学ぶ。

授業の到達目標

　知的障害の児童生徒に対する指導や知的障害と肢体不自由を併せる児童生徒への実際的な指導方法を学び、学習指導案作成及び適切な教材等の開発などを理解する。知的障害教育の独自の指導形態である「日常生活の指導」、「遊びの指導」、「生活単元学習」、「作業学習」と呼ばれる領域・教科を合わせた指導の考え方、指導計画の立て方、及び個別の指導計画作成について理解する。

成績評価の方法および基準

　レポート（教材研究、指導計画、指導案等）30％、授業内試験（第15回）50％、ポートフォリオ20％を総合して評価する。

教科書・参考文献

準備学修の内容

　１　授業の予習・復習を行い、専門用語、疑問点や新たな課題などについて調べ、主体的にポートフォリオに整理して欲しい。
　２　レポート課題等は、根拠を明確にし、教育現場を想定した具体的な見解を論述してほしい。
　３　関係法令、特別支援学校学習指導要領・解説に記載された指導法に関係する内容を整理し、基礎・基本の把握に努めてほしい。

その他履修上の注意事項

　１　特別支援学校（知的障害）・特別支援学級の参観、ボランティア活動に積極的に参加してほしい。
　２　障害児･者に関する報道に関心をもち、その背景などを考えて欲しい。
　３　「日常生活の指導」、「遊びの指導」、「生活単元学習」、「作業学習」の指導案の具体例を集め、指導案作成時に活用して欲しい。

授業内容