心理学基礎論Ⅰ
担当者黒田 美保教員紹介
単位・開講先必修  2単位 [心理学科 2017年度以前]
科目ナンバリングPSY-101

授業の概要(ねらい)

受胎から死に至るまでの生体の変化の過程を発達という。発達には、遺伝的・生得的に保有される因子と環境因子が、相互的に関わっている。こうした環境との相互作用を含めた人間の変化を学ぶのが発達心理学である。まず、幼児期・児童期・青年期を中心に、言語発達・認知発達・社会性の発達について知識を習得できるように授業すすめる。その後、発達過程において生じる問題を理解する。 

授業の到達目標

定型発達(一般的な発達)の変化の過程だけでなく、発達障害といわれる定型発達とは異なる発達過程もある。生涯発達の知識に基づきながら、発達過程で生じる問題や発達障害等の理解をすすめ、人間の多様性を認め、人を多面的にみることができるようになることを目標とする。

成績評価の方法および基準

授業内でだす課題への回答内容および授業態度(30%)と試験(70%)で総合的に評価する。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書問いからはじめる発達心理学坂上裕子・山口智子・林創・中間玲子有斐閣
参考文献発達心理学秦野悦子・近藤清美(編)医歯薬出版(近日刊行)
参考文献よくわかる発達心理学(やわらかアカデミズム・わかるシリーズ)無藤隆ミネルヴァ書店
参考文献公認心理師のための発達障害入門黒田美保金子書房
参考文献臨床発達心理学の基礎山崎晃・藤崎春代ミネルヴァ書店

準備学修の内容

次回の授業内容に関する教科書の章を読む、あるいは、授業内で指示する内容について調べてくること。復習内容も指示するので、各自まとめ学習を進めること。

その他履修上の注意事項

課題にはLMSを使う可能性がある。その場合は、スマホまたはWifi対応のノートPCなどを持参することになるので、第1回目の授業時に指示する。
※ 2018年度以降の入学生には、公認心理師受験資格に必要な科目です。
 2017年度以前の入学生は、心理学科のホームページを参照してください。

授業内容

授業内容
第1回生涯発達の概念(発達段階と発達課題)や遺伝と環境の関係

第2回胎児期・新生児期:体内での発達過程や環境の影響、新生児の能力

第3回ピアジェの発達段階と社会性の萌芽
第4回アタッチメントの発達と幼児と養育者の初期コミュニケーション

第5回表象と象徴機能・共同注意から芽生える言語発と遊び

第6回幼児の自己意識と自己制御の発達
第7回心の理論にもとづく社会性の発達と仲間関係

第8回児童期:子どもの学習と、記憶の発達・動機づけ・思考の深まり
第9回青年期:アイデンティティの発達とキャリア・家庭生活における発達

第10回成人期:職業生活や親としての発達

第11回老年期:認知機能の加齢変化とその生き甲斐や死の受容
第12回児童虐待とアタッチメント障害

第13回発達障害の特徴

第14回発達障害の支援と支援に求められる発達的観点

第15回試験とまとめ