衛生学・公衆衛生学
担当者宮川 宗之教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [教育文化学科]
科目ナンバリングHPH-201

授業の概要(ねらい)

 衛生学・公衆衛生学は、健康に影響を及ぼす様々な要因を明らかにして健康障害の発生予防と健康の保持・増進を目的とする社会医学の一分野である。学校・職域・地域・国家など様々なレベルの集団を対象に、その集団に所属するものの健康状態が、生物学的・化学的・物理的な環境、社会的・経済的状況、及び集団の構成員の素因や行動とどのように関連するかを解析し、効果的な衛生対策や医療・福祉制度を整えるための知見を追求する実践的な学問である。授業では衛生学・公衆衛生学に関わる基礎的な知識とわが国の状況について、テキストに準拠して重要事項を概説する。どのような制度・状況下で国民が医療や福祉などのサービスを受けているのかを理解し、さらにどうあるべきか自分なりの見解を持つことが重要である。
 注)この科目は、労働安全衛生法で定められている国の資格「第一種衛生管理者」免許の取得に必要な科目の一つであり、労働者の健康の保持増進対策や職場における健康管理など、労働衛生の基礎となる事項を含めた内容となる。常時50人以上を雇用する事業場では、免許を受けている等、資格を有するもの(常勤者)から「衛生管理者」を選任し、職員の衛生管理に関わる業務を担当させる必要がある。健康スポーツコースでは要件となる9科目(生理学Ⅰ、生理学Ⅱ、救急処置法、衛生学・公衆衛生学、精神医学、産業労働心理学、環境衛生工学、労働関係法令Ⅰ、労働関係法令Ⅱ)を履修すると、試験免除で免許取得が可能。学生便覧参照。

授業の到達目標

 ・衛生学・公衆衛生学各分野の基礎的知識を修得し、重要な基本用語の意味を説明できる。
 ・医療・保健衛生・社会福祉・社会保障等の諸制度・仕組みを理解し、概要を説明できる。
 ・公衆衛生関連分野では今何が問題かを知るとともに、必要な対策は何か主体的に考えられる。

成績評価の方法および基準

 評価は原則100%期末試験で行なう。医療制度を含め基礎的事項の知識と理解を問う。不適切な授業態度(私語など他の学生の学習の妨げとなるような問題行動)があった場合は随時確認・記録をして評価時に10点の減点をする。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書『学生のための現代公衆衛生学』2016(改訂7版)野中浩一編 南山堂 
参考文献

準備学修の内容

 各回の授業は原則として教科書の1つの章に対応するので、該当する章を丁寧に通読してくること。大学のウェッブファイルサーバーで配付する授業資料をダウンロードして印刷し、授業時に持参すること。試験前には配付した授業資料のみならず、教科書の中から授業でとりあげた部分を精読するとともに、重要事項は暗記すること。これらの学習には、合計30時間以上が必要と考える。

その他履修上の注意事項

 自分や家族の健康問題と人々が健康に暮らせる社会の仕組みのあり方について常に関心を持つよう努めること。授業ではできる限り前方の席に着席するとともに与えられた情報を自分の頭の中で整理する(能動的に講義を聞く)習慣を身に着けてもらいたい。授業中の質問も歓迎する。

授業内容

授業内容
第1回 衛生学・公衆衛生学とはどのような分野かを学ぶ(含疫学の基本)。
第2回 日本の人口の動向について学び少子高齢化問題について考える(含健康指標・保健統計)。
第3回 妊娠・出産と胎児の保健(含女性労働者の健康確保)について学ぶ。
第4回 新生児・乳幼児期の保健について学ぶ(含育児休業制度)。
第5回 学校保健について学ぶ。
第6回 青少年の保健について学ぶ。
第7回 成人期の保健について学ぶ(含健康増進法・健康日本21・健康診断)。
第8回 老年期の保健と介護制度について学ぶ。
第9回 心の健康と精神障害について学ぶ。
第10回 公害と環境保健について学ぶ(含有害化学物質管理・廃棄物処理)。
第11回 感染症の防御について学ぶ。
第12回 食物と健康・食品衛生について学ぶ
第13回 職業生活と健康について学ぶ(含職場の衛生管理体制)。
第14回 医療保険・社会保障制度について学ぶ(含労災保険・労災補償制度)。
第15回 復習とまとめ。