ミクロ経済学Ⅱ
担当者
単位・開講先選択必修  2単位 [観光経営学科]
科目ナンバリングECT-202

授業の概要(ねらい)

 市場における売り手の意思決定を扱う。まず、需要曲線を用いた初歩的な分析を概観する。次に、費用構造に着目して企業の最適生産行動を求め、供給曲線を導出する。最後に、独占企業の行動について簡単に学ぶ。

授業の到達目標

 主に企業の生産行動の決定と部分均衡分析を通してミクロ経済学の方法、考え方を身につける。
・基数的効用を前提とした消費者の行動を説明できる。
・企業の利潤最大化問題を限界費用を用いて解ける。
・限界費用と可変費用、平均可変費用、固定費用、平均費用の関係をグラフを用いて説明できる。
・独占市場における独占企業の最適生産量と独占価格の決定方法を説明できる。

成績評価の方法および基準

 第1回から第14回の授業終了直前に提出される確認テスト、毎回の授業終了後もっとも早い週末に提出される宿題による (100パーセント)。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書 特に指定しない。ただし、授業準備にあたって次に挙げる書籍を参考にした。第1回授業で、第何回の授業の内容がどの本の何ページに対応するかを示す予定である。 ・安藤至大 (2013)、『ミクロ経済学の第一歩』、有斐閣ストゥディア。 ・石川秀樹 (2009)、『単位が取れるミクロ経済学ノート』、講談社。 ・市野泰和 (2014)、『心と体にすーっとしみこむミクロ経済学』、中央経済社。 ・伊藤秀史 (2012)、『ひたすら読むエコノミクス』、有斐閣。 ・伊藤元重 (2015)、『入門経済学』(第4版)、日本評論社。 ・ハル・R・ヴァリアン (2015)、『入門ミクロ経済学』(原著第9版)、勁草書房。 ・小川光、家森信善 (2016)、『ミクロ経済学の基礎』、中央経済社、pp. 42-46。 ・梶井厚志、松井彰彦 (2000)、『ミクロ経済学――戦略的アプローチ』、中央評論社。 ・坂井豊貴 (2017)、『ミクロ経済学入門の入門』、岩波新書。 ・佐々木宏夫 (2008)、『基礎コースミクロ経済学』、新世社。 ・佐々木宏夫 (2011)、『史上最強図解ミクロ経済学入門』、ナツメ社。 ・嶋村紘輝、横山将義 (2003)、『図解雑学ミクロ経済学』、ナツメ社。 ・N・グレゴリー・マンキュー (2013)、『マンキュー経済学Ⅰ ミクロ編』(第3版)、東洋経済新報社。 ・N・グレゴリー・マンキュー (2014)、『マンキュー入門経済学』(第2版)、東洋経済新報社。 ・スティーヴン・レヴィット、オースタン・グールズビー、チャド・サイヴァーソン (2017)、『レヴィットミクロ経済学基礎編』、東洋経済新報社。
参考文献

準備学修の内容

 毎回の授業の予習として、2時間以上をかけて、参考書を読んで次の授業内容を確認せよ。毎回の授業の復習として、2時間以上をかけて、その授業で重要と思った点を中心にノートに整理し、授業内容を検討せよ。その復習をふまえて、確認テストをやりなおし、宿題答案を週末にLMSを通じて提出せよ。さらに、参考書の演習問題を解け。
 復習、特に問題演習は重要である。ノートや参考書を読むだけで問題は解かない、という勉強ではだめである。問題は解き方を読むだけでなく、ペンをもってノートに解きなおせ。問題を解けば自然にわかってくることは多い。わかっていることとわからないことを明確に区別し、理解できていない解説を紙に何回でも再現せよ。

その他履修上の注意事項

 継続的に学習せよ。10分でも構わないので毎日勉強する時間をとれ。停滞は後退である。
 丁寧にせよ。つまみ食い的な勉強は基礎科目においては百害あって一利なしである。100パーセントわかるところからスタートして一歩一歩進むのがもっとも楽な方法である。あせりは禁物である。
 いくら勉強してもわからなければ躊躇せずに質問すべきである。質問する相手は教員でも友人でも誰でも構わない。困ったときに人に頼ることもれっきとした能力である。
 定義を大切にせよ。わからなくなるのは定義の理解が不十分だからである。定義とは、ある概念を過不足なく説明し約束することである。スポーツをやるのにルールを覚えるがごとく、推理小説を読むのに登場人物の名前を覚えるがごとく、ミクロ経済学を勉強するにあたってはミクロ経済学の専門用語の定義を覚えよ。

授業内容

授業内容
第1回 イントロダクション
第2回 完全競争市場と価格受容者
第3回 需要量の決定
第4回 需要曲線
第5回 完全競争下での企業の生産
第6回 生産にかかる費用
第7回 限界費用と平均可変費用の関係
第8回 限界費用と平均費用の関係
第9回 正味便益と利潤
第10回 損益分岐点
第11回 操業停止点
第12回 供給曲線
第13回 独占と限界収入
第14回 独占企業の行動
第15回 独占と需要の価格弾力性