スポンサーシップ概論Ⅰ
担当者川上 祐司教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [経営学科]
科目ナンバリングSPS-217

授業の概要(ねらい)

 マーケティングとは、「競合他社間における勝ち残るための方法論」と定義されよう。市場が一社のみであれば極論を言えばマーケティングは必要ない。しかし業界の垣根を超えた現在の市場競争社会においてマーケティングは企業経営において必須の戦術でありその内容も絶え間なく進展を遂げている。そのマーケティングにスポーツが付くとどうなるか?スポーツビジネスのオファリングとは? スポーツマーケティングの商品とは何か? その商品(Product)とは?価格(Price)は?拡販(Place)は?販促(Promotion)は? その脅威となるものは? その市場もグローバルへ。4Pから4Cへ。
 本講義では、スポーツにおけるこれらのマーケティングメソッドを解説するとともにグローバル時代におけるスポーツマーケティングの概念について理解する。小職は毎年3月にアリゾナ州スコッツデール市で開催されるMLBサンフランシスコ・ジャイアンツのスプリングトレーニングキャンプに帯同している。履修生には、具体的なスポーツマーケティングスキルの習得を目指すべく、最新のマーケティングノウハウを教授する。
 尚、スポーツ経営コースを選択する学生は「スポーツマーケティング概論」必ず学ばなければならない学問であることを理解すること。

授業の到達目標

 スポーツビジネス、マーケティングに以下の業種・業務に必要なマーケティングおよびプロモーション等の基礎知識を習得する。具体的にはスポーツにおける「マーケティングミックス」「プロモーション(メディアリレーション・アドバタイジング)」「スポンサーシップ」「ライセンス」などのノウハウスキル習得を目指す。
 ・スポーツチーム・リーグのマーケティング・プロモーション担当者
 ・企業・行政マーケティング・プロモーション担当者
 ・広告代理店、マスコミ関係者
 ・その他

成績評価の方法および基準

 *出席点はありません(ただし要打刻)以下より総合的に評価する
 ①期末試験:60点満点(筆記、小論文)
 ②レポート:期中に課題レポート3回実施。40点(10点×1、15点×2)

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書『アメリカのスポーツ現場に学ぶマーケティング戦略-ファン・チーム・行政が生み出すスポーツ文化とビジネス』 川上祐司著晃洋書房
教科書*当日授業で使用するテキストデータは前日までにLMSにアップするので必ず参照のこと
参考文献『メジャーリーグの現場に学ぶビジネス戦略―マーケティング、スポンサーシップ、ツーリズムへの展開―』 川上祐司著晃洋書房
参考文献『Sports Business Management: Decision Making Around the Globe』George Foster, Norman O'Reilly著
参考文献戦略的マーケティング・マネジメントアレクサンダー・チェルネフ五絃舎
参考文献『オリンピックスポンサーシップ構造の功罪(その1)-東京2020オリンピックテレビプロモーションの現状と課題より-、(その2)-東京2020ゴールドスポンサーのプロモーションの現状と課題より-』 川上祐司著帝京経済学研究
参考文献『ダイナミックプライシングの価格設定要因の一考察 -MLB San Francisco Giantsのチケットセールスを事例に-』 川上祐司著帝京経済学研究
参考文献日本プロゴルフトーナメント開催と企業経営効果についてーLPGAツアートーナメントを事例にー川上祐司著帝京経済学研究
参考文献『スポンサーシップイベントによる企業イメージ効果と現状の課題―国内企業におけるスポサーシップ事例より―』 川上祐司著帝京経済学研究
参考文献メジャーリーグベースボール アリゾナカクタスリーグにおける経済効果川上祐司著帝京経済学研究

準備学修の内容

 授業テキストは拙書および前日までにLMSにアップするPPTデータを使用するので必ず資料確認すること。
 また、当日授業では出来る限りパソコン持参で受講すること。
 国内一般紙および日本経済新聞を必読のこと。加えてSports Business Journal、またスポーツ専門サイト等より海外スポーツビジネス動向にも関心を高めること。

その他履修上の注意事項

 引き続き「スポーツマーケティング概論Ⅱ」の履修が望ましい。また更なる理解を深めるため「アメリカスポーツマネジメント研修」「アメリカ型スポーツ経営Ⅰ」の履修も望ましい。
 本科目は出席することが目的ではないので出席点はありません(出席は取りません)。スポーツマーケティングの理解と停滞するわが国スポーツビジネスを牽引する人材育成に向けた高度なスキルとノウハウ、理論の習得が目的です。その旨を十分理解して履修するようにして下さい。
 授業テキストはLMSにアップするので出来る限りパソコン持参で受講のこと。
 また、本授業は経営の一環を学ぶにあたり、授業進行においては時間・期限・約束の厳守などビジネスルールに準じるとともに学生としてモラルを遵守する。
 スポーツ経営コースを選択する学生において、本領域は今後の同市場への就職を希望する場合の必須科目であります。逆にここでのノウハウを理解することなくスポーツ業界に進む方が危険であることを理解してください。
「スポーツが好きだけど勉強は嫌いだから」スポーツ経営科目があるのではありません。本履修生には、スポーツの手段化を否定でき「スポーツの本質」を十分に理解してわが国のスポーツ文化発展・構築に貢献できる人材として今後の活躍を期待しています。

授業内容

授業内容
第1回 オリエンおよびガイダンス
 ・授業の進め方、評価方法、留意点、約束事項の確認する
第2回 スポーツとスポーツマーケティングについて理解する
 ・スポーツとは、スポーツマネジメントとは、マーケティングとは、スポーツマーケティングについて学ぶ
第3回 スポーツ産業構造について理解する
 ・Sports of MarketingとSports through Marketing、スポーツセグメント、スポーツ市場動向について学ぶ
第4回 スポーツマーケティングの歴史について理解する
 ・アディ・ダスラー/ホルスト・ダスラー、ピーター・ユベロス、電通、アディダス、ISL、キルヒの功績と功罪について学ぶ
第5回 ファイナンス/エコノミクスについて理解する
 ・損益計算の基礎、スポーツファイナンス、スポーツエコノミクスインパクトについて学ぶ
第6回 スポーツマーケティングについて理解する①
 ・マーケティングアプローチ(STP:Segmentation・Targeting・Positioning)方法とマーケティングミックス(4Pと4C)について学ぶ
第7回 スポーツマーケティングについて理解する②
 ・購買決定プロセスについて学ぶ
・パレートの法則、ロングテールとドラゴンヘッドの法則について学ぶ
第8回 スポーツプロモーションについて理解する①
 ・スポーツプロモーションの目的と機能について学ぶ
 ・国内外のスポーツプロモーション政策について学ぶ
第9回 スポーツプロモーションについて理解する②
 ・メディアリレーションとパブリックリレーション(広報)の機能と方法について学ぶ
 ・リスク管理におけるスポーツ広報の機能と手法について学ぶ
第10回 スポーツプロモーションについて理解する③
 ・アドバタイジング(広告・宣伝)の目的と機能・手法について学ぶ
第11回 スポーツスポンサーシップについて理解する
 ・スポンサーシップ理論と目的について学ぶ
 ・スポンサーシップのビジネス構造について学ぶ
 ・スポンサーシップのトレンドと主な事例(ネーミングライツ・エンドースメント・ホスピタリティなど)について学ぶ
第12回 チケットマーケティングについて理解する
 ・チケットビジネスの構造(プライマリーマーケット、セカンダリマーケット)について学ぶ
 ・需要・供給と価格設定の考え方、ダイナミックプライシングについて学ぶ
第13回 ライセンスビジネスについて理解する
 ・スポーツプロパティ、知的財産権の種別、著作権と商標権、ⒸとⓇ、契約について学ぶ
 ・マーチャンダイジングとライセンスビジネスについて学ぶ
第14回 マーケティング評価について理解する
 ・マーケティングにおけるKPI(視聴率、GRP、広告評価、接触率・理解度・好感度、広告費換算、評価インデックス FCI)について学ぶ
第15回 まとめ
 ・これまでの振り返りとまとめを行う