経済地理学Ⅰ
担当者岡部 遊志教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [史学科]
科目ナンバリングHUG-205

授業の概要(ねらい)

 概要:本講義では経済地理学を学びます。経済学の分野では多くの場合、経済活動が行われている空間の広がりを考慮に入れません。しかし地域経済学や経済地理学では空間の広がりを考慮し経済活動を分析していきます。本講義ではそうした学問分野に触れつつ、より簡単に、地域を経済的に理解する方法を学びます。
 趣旨:グローバル化が進む中で多くの地域が国際競争や国内競争にさらされ、地域格差が広がっています。そうした中で地域を維持、発展させるためにはどうしたらよいのかという議論がされるようになってきました。こうした問いに答えるために、地域を経済的に理解する方法を学びましょう。
 学びの方向性:まず、どのようにして人はそこに住むのか、そして経済が発生するのかについて、経済地理学、特に立地論の基礎を学びながら理解します。そして、産業の地域的編成を理解するとともに、グローバル化などによる産業の再編成についても学びます。その後、クラスター理論や内発的発展論など、これまでに行われ、そして将来の地域再生にも参考になる地域経済に関する理論を紹介します。最後にどのように地域を維持・発展していくかについての政策的な課題を検討します。

授業の到達目標

経済地理学・地域経済についての基礎的な知識を習得する
地域経済に関する様々な事柄の分布を説明できる
地域経済に関する重要な概念について説明できる
事例を分析し,地域を多面的に理解する
授業に臨む態度を涵養する

成績評価の方法および基準

経済地理学・地域経済についての基礎的な知識を習得する:予習復習・授業内の演習(30%)+期末テストの空欄穴埋め(10%)=40%
地域経済に関する様々な事柄の分布を説明できる:期末テスト 10%
地域経済に関する重要な概念について説明できる:期末テストの記述問題 20%
事例を分析し,地域を多面的に理解する:レポート 20%
授業に臨む態度を涵養する:出席・発言など 10%

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書教科書は使用しません。
教科書

準備学修の内容

知識を定着させるために復習の課題を課します。
また地域を分析するために、レポートを課し、実際に地域について多様な観点から調べてもらいます。

その他履修上の注意事項

抽象的な事柄を扱うことが多いので、リアクションペーパーなどを通じて皆さんの理解度を測ることを予定しているので、積極的に授業に参加してください。

授業内容

授業内容
第1回ガイダンスとイントロダクション
第2回経済地理学とは何か
第3回立地論入門(1)農業立地と工業立地
第4回立地論入門(2)産業集積についての理論
第5回立地論入門(3)産業集積の事例
第6回立地論入門(4)中心地理論と都市システム論
第7回産業の地域間分業と国内経済の再編成
第8回グローバルな分業とその日本への影響
第9回都市機能
第10回都市の構造
第11回地域を維持・発展させるためにはどのような政策が必要か
クラスター理論
第12回地域イノベーションと内発的発展論
第13回芸術活動や文化産業、観光産業による経済再生策
第14回人的資本を活かした新しい「まちづくり」、「地域づくり」
第15回まとめ