労働法Ⅰ
担当者藤木 貴史教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [法律学科 2017年度以前]
科目ナンバリングSOL-203

授業の概要(ねらい)

 私たちの社会では、多くの人が雇用されて労働し、賃金を得ることで生活しています。しかし、労働者は使用者よりも力が弱いため、適切な法規制がなされないと、さまざまな困難に直面することになります。労働法は、こうした困難を防ぎ、人間が人間らしく生きられようにさまざまな規制を行う法分野です。
 労働法Iでは、個別的労働法(①総論、②労働関係の成立と終了、そして③賃金・労働時間等の労働条件)の基礎的部分を扱います。労働法Iと労働法IIは連続性が強いので、両方連続して履修することを強く勧めます。

※授業は、教科書の一部をまとめたレジュメを配布して進めます。講義中詳細に触れられない点については、教科書で学習するよう指示することがあります。
※試験の際には、教科書のみ持ち込みを認めます。
※進度は学生の理解に応じて調整されることがあります。

授業の到達目標

・個別的労働法の基礎的な知識を習得する。
・労働法を知らない人に対して、労働法の仕組みを説明し、職場の問題解決の指針を示すことができる。

成績評価の方法および基準

・期末試験:7割(説明問題/事案問題により、労働法の仕組みを説明できるかを測る)
・小テスト:3割(穴埋め問題/選択式問題により、基礎的知識の定着度を測る)

※小テストはLMSを通じて毎回出題し、次回にフィードバックする予定です。出席するのみでは平常点となりません。
※期末筆記試験には、六法および教科書(『基礎から学ぶ-』)のみ持ち込みを認めます。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書『基礎から学ぶ労働法I〔第4版〕』金子征史ほかエイデル出版(2018年)
参考文献『労働関係法規集(2020年版)』日本労働政策研究・研修機構日本労働政策研究・研修機構

準備学修の内容

講義前:30分程度を目安に、テキストの当該箇所を読む。不明点をノートに書きだし、講義において問題点を理解できるようにしましょう。
講義後:1時間30分程度を目安に、小テストへの取り組み、テキスト・レジュメの復習。友達・家族に、その日聞いた労働法のおおまかな仕組みを説明できる程度まで復習しましょう。

その他履修上の注意事項

【授業に臨む姿勢】
・講義中は、適切にノートをとるなど、講義に集中することが求められます。
・ゲームや私事を見つけた場合には止めるよう注意をします。また、食事は禁止します。(飲み物を飲むのは構いません)。
・休まないで出席することは理解の前提となるので、その旨心がけてください。
・六法/法令集は授業に必ず持ってくること。また、自分で必要な条文を探せるようにしておくこと。

【関連科目】
本講義の理解のためには、①日本国憲法、②民法(民法総則、債権総論、契約法)、③行政法、④民事訴訟法、⑤刑法などの基礎的知識があることが望ましいです(ただし、これらの科目を履修していない学生でも、この講義を履修して構いません)

授業内容

授業内容
第1回≪イントロダクション≫労働法とは何か 労働法の意義/労働法の体系(個別法、集団法、雇用保障法)/労働法と憲法
第2回≪労働者の自由と権利≫ 労働憲章/未成年保護/足止め防止規定
第3回≪労働者と労働契約≫ 労働者性/労働基準法上の労働契約規制
第4回≪労働契約総論≫ 労働契約と労働契約法/付随義務論/パワーハラスメント規制
第5回≪労働契約の開始≫ 労働契約の成立/内定(内々定)/試用期間
第6回≪労働契約の終了(1)≫ 合意解約と辞職/定年/解雇制限
第7回≪労働契約の終了(2)≫ 解雇権濫用法理/整理解雇法理
第8回≪労働条件の決定(1)≫ 労働条件を決める仕組み/労働契約/労使慣行/就業規則
第9回≪労働条件の決定(2)≫ 就業規則と労働契約法/就業規則の不利益変更
第10回≪これまでのまとめ≫ これまでのまとめと質問/映像で見る労働問題/中間的進度調整
第11回≪賃金(1)≫ 労働基準法と賃金/最低賃金法
第12回≪賃金(2)≫ 賞与/退職金/休業手当
第13回≪労働時間(1)≫ 労働時間の定義/休憩・休日/時間外労働、休日労働
第14回≪労働時間(2)≫ 割増賃金/弾力的な労働時間制度
第15回≪労働時間(3)・年次有給休暇≫ 労働時間規制の適用除外/年次有給休暇