労働法Ⅱ
担当者藤木 貴史教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [法律学科 2017年度以前]
科目ナンバリングSOL-204

授業の概要(ねらい)

 私たちの社会では、多くの人が雇用されて労働し、賃金を得ることで生活しています。しかし、労働者は使用者よりも力が弱いため、適切な法規制がなされないと、さまざまな困難に直面することになります。労働法は、こうした困難を防ぎ、人間が人間らしく生きられようにさまざまな規制を行う法分野です。
 労働法IIでは、労働法Iを前提として、個別的労働法のうち社会的影響を受けやすい問題と、雇用保障法を講義します。労働法Iと労働法IIは連続性が強いので、両方連続して履修することを強く勧めます。

※この授業は、オンライン授業になります。レジュメおよび音声・動画をオンデマンドで受講後、小テストを受講することで学習を進めます。
※講義中詳細に触れられない点については、教科書で学習するよう指示することがあります。教科書の次週は必須です。
※進度は学生の理解に応じて調整されることがあります。

授業の到達目標

・個別的労働法の基礎的な知識を習得する。
・労働法を知らない人に対して、労働法の仕組みを説明し、職場の問題解決の指針を示すことができる。

成績評価の方法および基準

・小テスト:5割(毎回出題;穴埋め問題/選択式問題により、基礎的知識の定着度を測る)
・期末レポート:4割(説明問題/事案問題により、労働法の仕組みを説明できるかを測る)
・期末ウェブテスト:1割(ウェブ上で、今まで出題された小テストからランダムに出題される問題を短時間で解答する;基礎的知識の定着度を測る)

※小テストは授業中に毎回出題します。小テストを受験して初めて平常点が与えられます。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書『基礎から学ぶ労働法I〔第4版〕』金子征史ほかエイデル出版(2018年)
教科書『概説 労働市場法』鎌田耕一三省堂
参考文献『労働関係法規集(2020年版)』日本労働政策研究・研修機構日本労働政策研究・研修機構
参考文献『労働判例百選〔第9版〕』村中孝史・荒木尚志編有斐閣

準備学修の内容

講義前:1時間程度を目安に、テキストの当該箇所を読む。不明点をノートに書きだし、講義において問題点を理解できるようにしましょう。
講義後:3時間程度を目安に、小テストへの取り組み、テキスト・レジュメの復習。友達・家族に、その日聞いた労働法のおおまかな仕組みを説明できる程度まで復習しましょう。

その他履修上の注意事項

【授業に臨む姿勢】
・オンライン講義中は、適切にノートを取るなど、講義に集中することが求められます。
・オンデマンド形式により、講義受講進度に幅を持たせますが、小テストには1か月程度の締切を設けます。継続的な受講は理解の前提となるので、その旨心がけてください。
・六法/法令集は手元においておくこと。また、自分で必要な条文を探せるようにしておくこと。

【関連科目】
本講義の理解のためには、①日本国憲法、②民法(民法総則、債権総論、契約法、不法行為法)、③行政法、④民事訴訟法、⑤刑法などの基礎的知識があることが望ましいです(ただし、これらの科目を履修していない学生でも、この講義を履修して構いません)

授業内容

授業内容
第1回≪イントロダクション≫ 労働法と日本の雇用の現実/日本的雇用慣行
第2回≪人事制度(1)≫ 配転/出向、転籍
第3回≪人事制度(2)≫ 昇・降格/企業再編
第4回≪懲戒≫ 企業秩序論/懲戒処分の根拠と限界
第5回≪労働災害≫ 労災保険とは何か/通勤災害と労災保険/労災民訴
第6回≪雇用平等(1)≫ 女性活躍推進法/育児・介護休業法/労基法と母性保護/賃金差別の禁止
第7回≪雇用平等(2)≫ 男女雇用機会均等法/セクハラ、マタハラの防止
第8回≪非正規労働(1)≫ 総論/有期・パート労働者の保護
第9回≪非正規労働(2)≫ 有期・パート労働者の均等待遇
第10回≪非正規労働(3)≫ 派遣労働者の保護と均等待遇
第11回≪これまでのまとめ≫ これまでのまとめと質問/映像で見る労働問題/中間的進度調整
第12回≪雇用保障法(1)≫ 総論/職業仲介法
第13回≪雇用保障法(2)≫ 雇用保険法
第14回≪雇用保障法(3)≫ 職業能力開発法/雇用政策法
第15回≪雇用保障法(4)≫ 雇用政策法つづき(障害者・外国人)