担当者 | 石川 敬史教員紹介 | |
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単位・開講先 | 選択必修 2単位 [史学科] | |
科目ナンバリング | SEM-433 |
人間の能力は、国籍や人種によって違いがあるわけではありません。「国民性」という概念も怪しげなものであり、現在では非科学的な偏見に過ぎないものとされています。にもかかわらず、なぜ、ある社会は独裁政治であり、ある社会は民主政治になっているのでしょうか。本演習で扱うバリントン・ムーア『独裁と民主政治の社会的起源』(上)(下)(岩波文庫、2019年)は、こうした素朴な疑問を歴史学的・社会科学的に考察した古典的名著です。本演習の狙いは、本書の精読を通して、歴史的課題を社会科学的アプローチから捉えられるような素養を身につけることにあります。
・授業は、演習形式で行います。受講者はその日講読するテキストの該当箇所を必ず事前に読み込み、疑問点・感想を明らかにしてから授業に参加してください。
・受講者は、必ず1回〜2回以上、報告を担当します。報告担当になった受講者は、その日講読するテキストの該当箇所を要約し、自分なりの論点をまとめて報告してください。
・報告者の報告をもとに、受講者と教員が議論を行い、理解を深めていきます。
文献資料を適切に要約し、他者に説明することができるようになる。
古代から現代までの変化を歴史的に把握できるようになる。
歴史的文献を自力で探し出せる能力を身につけることができるようになる。
授業への積極的な参加姿勢:50%
報告担当者としての報告:20%
前期の授業終了後に提出するレポート:30%
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 『独裁と民主政治の社会的起源』(上) | バリントン・ムーア(宮崎隆次・森山茂徳・高橋直樹訳) | 岩波書店 |
参考文献 | 適宜指示します。 |
・受講者は、授業に出席する前に必ず、その日講読する該当箇所を読み込んできてください。
・報告担当者は、報告レジュメを作成し、テキストの内容を初めて知る人にも分かるように報告するとともに、問題点・疑問点を明らかにしておいてください。
・受講者は、自分なりの問題意識を明確にして授業に臨むようにしてください。
演習形式の授業なので、受講者の積極的な参加姿勢がなければ成立しない授業です。それゆえ、成績評価も授業への参加、授業への貢献を基準の中心としています。
回 | 授業内容 |
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第1回 | ガイダンス ・授業運営の方針、使用テキストについての解説 ・報告担当者の割り振り ・その他、全般的な説明 |
第2回 | 【第一部 資本主義デモクラシーの革命的起源】 第一章 イギリス――漸進主義に対する暴力の貢献 一 農村部における資本主義への移行――背後に存在した貴族の原動力(インパルス) 二 農業面から見た内乱 報告者による報告と議論 |
第3回 | 【第一部 資本主義デモクラシーの革命的起源】 第一章 イギリス――漸進主義に対する暴力の貢献 三 囲い込みと農民層の崩壊 四 貴族支配と資本主義の勝利 報告者による報告と議論 |
第4回 | 【第一部 資本主義デモクラシーの革命的起源】 第二章 フランスにおける発展と革命 一 イギリスとの差異及びその起源 二 商業的農業への貴族の対応 報告者による報告と議論 |
第5回 | 【第一部 資本主義デモクラシーの革命的起源】 第二章 フランスにおける発展と革命 三 絶対王政下の階級関係 四 貴族の攻勢と絶対主義の崩壊 報告者による報告と議論 |
第6回 | 【第一部 資本主義デモクラシーの革命的起源】 第二章 フランスにおける発展と革命 五 大革命期における農民層と急進主義の関係 六 大革命に反抗する農民――ヴァンデ県 報告者による報告と議論 |
第7回 | 【第一部 資本主義デモクラシーの革命的起源】 第二章 フランスにおける発展と革命 七 革命テロルの社会的結果 八 概 括 報告者による報告と議論 |
第8回 | 【第一部 資本主義デモクラシーの革命的起源】 第三章 アメリカ南北戦争――最後の資本主義革命 一 プランテーションと工場――必然的対立か 二 アメリカ資本主義の三つの発展形態 報告者による報告と議論 |
第9回 | 【第一部 資本主義デモクラシーの革命的起源】 第三章 アメリカ南北戦争――最後の資本主義革命 三 戦争原因の説明を求めて 四 革命原動力とその挫折 五 戦争の意味 報告者による報告と議論 |
第10回 | 中間考察 【第一部 資本主義デモクラシーの革命的起源】についての振り返りと概説講義および質疑応答 |
第11回 | 【第二部 近代世界に向かうアジアの三つの道】 覚 書 ヨーロッパとアジアの政治過程――比較に際しての諸問題 第四章 中華帝国の衰退と共産主義型近代化の起源 一 上層階級と帝制 二 紳士と商業世界 報告者による報告と議論 |
第12回 | 【第二部 近代世界に向かうアジアの三つの道】 第四章 中華帝国の衰退と共産主義型近代化の起源 三 商業的農業の失敗 四 帝制の崩壊と軍閥の勃興 報告者による報告と議論 |
第13回 | 【第二部 近代世界に向かうアジアの三つの道】 第四章 中華帝国の衰退と共産主義型近代化の起源 五 国民党による幕間劇とその意味 六 反乱と革命と農民 報告者による報告と議論 |
第14回 | 予備日 演習形式の授業は、必ずしも予定通り順調に行くことはない。進度が遅れた場合はこの13回目を予備日として利用する。 順調に進展した場合は、第二部第四章についての中間考察を行う。 |
第15回 | 前期の総括授業 ・前期までの授業を振り返り、自由討論を行う。 ・レポート課題の指示 |