担当者 | 石川 敬史教員紹介 | |
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単位・開講先 | 選択必修 2単位 [史学科] | |
科目ナンバリング | SEM-434 |
人間の能力は、国籍や人種によって違いがあるわけではありません。「国民性」という概念も怪しげなものであり、現在では非科学的な偏見に過ぎないものとされています。にもかかわらず、なぜ、ある社会は独裁政治であり、ある社会は民主政治になっているのでしょうか。本演習で扱うバリントン・ムーア『独裁と民主政治の社会的起源』(上)(下)(岩波文庫、2019年)は、こうした素朴な疑問を歴史学的・社会科学的に考察した古典的名著です。本演習の狙いは、本書の精読を通して、歴史的課題を社会科学的アプローチから捉えられるような素養を身につけることにあります。
・授業は、演習形式で行います。受講者はその日講読するテキストの該当箇所を必ず事前に読み込み、疑問点・感想を明らかにしてから授業に参加してください。
・受講者は、必ず1回〜2回以上、報告を担当します。報告担当になった受講者は、その日講読するテキストの該当箇所を要約し、自分なりの論点をまとめて報告してください。
・報告者の報告をもとに、受講者と教員が議論を行い、理解を深めていきます。
文献資料を適切に要約し、他者に説明することができるようになる。
古代から現代までの変化を歴史的に把握できるようになる。
歴史的文献を自力で探し出せる能力を身につけることができるようになる。
授業への積極的な参加姿勢:50%
報告担当者としての報告:20%
前期の授業終了後に提出するレポート:30%
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 『独裁と民主政治の社会的起源』(下) | バリントン・ムーア(宮崎隆次・森山茂徳・高橋直樹訳) | 岩波書店 |
参考文献 | 適宜指示します。 |
・受講者は、授業に出席する前に必ず、その日講読する該当箇所を読み込んできてください。
・報告担当者は、報告レジュメを作成し、テキストの内容を初めて知る人にも分かるように報告するとともに、問題点・疑問点を明らかにしておいてください。
・受講者は、自分なりの問題意識を明確にして授業に臨むようにしてください。
演習形式の授業なので、受講者の積極的な参加姿勢がなければ成立しない授業です。それゆえ、成績評価も授業への参加、授業への貢献を基準の中心としています。
回 | 授業内容 |
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第1回 | ガイダンス ・授業運営の方針、使用テキストについての解説 ・報告担当者の割り振り ・その他、全般的な説明 |
第2回 | 【第二部 近代世界に向かうアジアの三つの道】 第五章 アジアのファシズム:日本(1) 報告者による報告と議論 |
第3回 | 【第二部 近代世界に向かうアジアの三つの道】 第五章 アジアのファシズム:日本(2) 報告者による報告と議論 |
第4回 | 【第二部 近代世界に向かうアジアの三つの道】 第六章 アジアにおけるデモクラシー:インドとその平和的変革の代償(1) 報告者による報告と議論 |
第5回 | 【第二部 近代世界に向かうアジアの三つの道】 第六章 アジアにおけるデモクラシー:インドとその平和的変革の代償(2) 報告者による報告と議論 |
第6回 | 中間考察 【第二部 近代世界に向かうアジアの三つの道】についての振り返りと質疑応答 |
第7回 | 【第三部 理論的意味と客観化】 第七章 近代社会への民主的径路(1) 報告者による報告と議論 |
第8回 | 【第三部 理論的意味と客観化】 第七章 近代社会への民主的径路(2) 報告者による報告と議論 |
第9回 | 【第三部 理論的意味と客観化】 第八章 上からの革命とファシズム(1) 報告者による報告と議論 |
第10回 | 【第三部 理論的意味と客観化】 第八章 上からの革命とファシズム(2) 報告者による報告と議論 |
第11回 | 【第三部 理論的意味と客観化】 第九章 農民層と革命(1) 報告者による報告と議論 |
第12回 | 【第三部 理論的意味と客観化】 第九章 農民層と革命(2) 報告者による報告と議論 |
第13回 | 【第三部 理論的意味と客観化】 終章 反動的思想と革命的思想 補論 統計と保守的歴史叙述についての覚書 報告者による報告と議論 |
第14回 | 中間考察 【第三部 理論的意味と客観化】についての振り返りと質疑応答 |
第15回 | 総括授業 ・「訳者あとがき」および「解説」を中心に演習全体の総括を行う。 ・レポート課題の指示を行う。 |